麺 ── ラーメン
敦賀ラーメン
Tsuruga Ramen
鶏ガラと豚骨の醤油スープ。港町の夜に並ぶ屋台の文化から育った。
- 発祥: 福井県敦賀市
- 醤油
- 東京から西へ約340km
福井県敦賀市
何でできているか
鶏ガラと豚骨を合わせた醤油スープに、中太の麺。あっさりしすぎず、かといって重すぎない、屋台の一杯として食べ切りやすい濃さに整えられている。夜の屋台の灯りの下ですする一杯は、寒さの残る港町の空気とセットで記憶されることが多いと伝わる。チャルメラの音とともに立ち上る湯気も、この一杯の記憶の一部になっているという。
どう作るのか
鶏ガラと豚骨を合わせて炊いたスープに、醤油だれを合わせるのが基本とされる。屋台という限られた設備の中で仕込みと提供を回すため、あっさりしすぎない濃さと、手早く出せる調理の簡潔さの両立が求められてきたと伝わる。深夜まで営業を続ける屋台の性質上、長時間持たせやすいスープの作り方が根付いたとも考えられる。限られた鍋と火力の中で完結させる工夫が、味の型を決めてきたのだろう。
なぜこの形になったのか
一説によると、始まりは1953年ごろ、敦賀駅前に出た屋台だったという。鉄道の乗客や職員、のちにはトラック運転手たちが、夜遅くに小腹を満たす場として屋台に集まったと伝わる。港町・鉄道の町として夜通し人が動く土地柄が、深夜まで灯りをともす屋台のラーメンという今の形を育てたと読める。人の動きが途切れない土地だからこそ、屋台という形態そのものが定着したとも言える。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ福井県
- 厚揚げの煮たの湯抜きして十文字に切り込みを入れた厚揚げを、だしと醤油、みりんで甘辛く煮てしょうが汁を効かせる福井の日常菜。油揚げの消費量が全国有数の土地で、報恩講のごちそうから各家庭の定番になったと伝わる。
- ぼっかけ厚揚げやごぼう、糸こんにゃくを削り節のだしで煮て、炊きたてのごはんに汁ごとぶっかける福井の一品。大正初期から100年以上食べ継がれ、勝山ではかまぼこや三つ葉を添えたお茶漬け風にもすると伝わる。
- 茶飯炒った大豆を熱い豆入り番茶に浸し、その茶で米を炊き上げる今庄の一品。奈良の「奈良茶飯」が宿場町に伝わったとされ、仏事や報恩講の膳、里帰りする娘へのもてなしにも欠かせない味と伝わる。
- 長寿なますすった白ごまに味噌と厚揚げ、からしと酢を練り合わせ、千切り大根や人参、さやえんどうを和える福井の正月なます。名前の通り長生きを願う縁起物とされ、法事や報恩講の膳にも並ぶという。
- でっち羊かんこしあんに寒天と砂糖、塩を溶かして固める、水羊かんに近い福井の冬の菓子。京都へ丁稚奉公に出た若者が正月に持ち帰った羊かんを水で伸ばして配ったのが始まりと伝わり、こたつで食べるのが定番という。
- 越前おろしそば福井県越前市に伝わる、大根おろしと削り節をのせて食べる冷たいそば。城主が京都から呼んだそば職人が非常食としてそば栽培を奨励したのが始まりとされる。