麺 ── ラーメン
八王子ラーメン
Hachioji Ramen
刻み玉ねぎを浮かべた醤油スープ。表面の油が玉ねぎの甘みを引き出す。
- 発祥: 東京都八王子市
- 醤油
- 東京から西へ約40km
東京都八王子市
何でできているか
醤油だれのスープには豚骨と鶏がらのだしが効き、表面には透き通ったラードがうっすらと浮く。その上にどっさりと刻んだ生の玉ねぎがのり、噛むたびにシャキッとした食感と甘みが立つ。中細の麺はこのスープと玉ねぎをまとめて持ち上げ、食べ進めるうちに玉ねぎがスープになじんで少しずつ角が取れていく。全体にほんのり甘い、飾り気のない一杯とされる。
どう作るのか
玉ねぎは加熱せず生のまま刻んで乗せるのが基本。スープの表面に浮く油が玉ねぎの辛みを和らげ、甘みを引き立てる働きをすると言われ、この油と玉ねぎの組み合わせが八王子ラーメンの決め手とされる。豚骨と鶏がらを合わせただしに醤油だれを合わせるのはオーソドックスな造りだが、玉ねぎの量と刻み方の細かさが店ごとの個性になっている。
なぜこの形になったのか
一説によると、玉ねぎ入りラーメンの元祖とされる店の先代店主が北海道旅行で出会ったのがそもそもの始まりで、玉ねぎの辛みをラードで中和する工夫を重ねて今の形になったと伝わる。かつて織物の街として栄えたこの土地は、産業の変化とともに際立った特徴を失っており、2003年に地元有志が「八麺会」を発足させ、もとから地元にあったこの一杯を名物として仕立て直した経緯がある。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ東京都
- 油そばスープを張らず、丼の底にためた醤油だれとごま油を麺にからめて食べる。武蔵野地区の店が昭和30年代に売り出したのが始まりと伝わり、酢とラー油を足して味を変えながら食べ進める。
- 味付け海苔板海苔に醤油と砂糖ベースの味付けをして焼き上げた加工品で、明治期に京都行幸の土産として考案されたと伝わる。パリパリとした食感の中で味と香りが一気に広がり、とくに関西でよく使われる海苔の型という。
- 穴子寿司甘辛く煮たあなごをシャリにのせ、煮詰めたツメを塗った江戸前ずしの定番ネタ。栄養豊かな川が流れ込む東京湾で育ったあなごは江戸の食文化を支えた魚のひとつで、ぬめりを取り除く下ごしらえに職人の技が問われるという。
- あんみつ賽の目に切った寒天に、赤えんどう豆や餡、黒蜜をのせた甘味。もとは蜜と豆だけの「みつ豆」に、昭和初期の銀座の甘味処が自家製の餡をのせたのが始まりと伝わり、和菓子と喫茶文化が交わった型とされる。
- 浅草の七味1625年創業と伝わる、浅草・薬研堀に始まる七味唐辛子の元祖とされる店の調合。江戸有数の薬種問屋街だった土地柄から漢方の知識を活かした調合が生まれたとされ、好みに応じたその場調合でも知られる。
- べったら漬け塩で下漬けした大根を米麹と砂糖で漬け込む、江戸のえびす講で売られた浅漬けが起源とされる漬物。麹の自然な甘さが身上で、日本橋の「べったら市」で今も親しまれている。