麺 ── ラーメン
東京ラーメン
Tokyo Ramen
鶏ガラと煮干しを軸にした醤油スープ。中華そばと呼ばれてきた、最も基本的な型。
- 発祥: 東京都千代田区
- 醤油
東京都千代田区
何でできているか
鶏ガラと煮干しでとった、澄んだ醤油スープ。細めの縮れ麺にチャーシュー、なると、刻みねぎといった、あとから見れば誰もが知る組み合わせが並ぶ。強い個性を主張する一杯ではなく、むしろ「これがラーメンの基本形」と言われて誰もが思い浮かべる姿に近い。長らく中華そばと呼ばれてきた、飾らない一杯とされる。奇をてらったところがひとつもないのに、これが基準になっている点がむしろ特異である。
どう作るのか
鶏ガラを主軸に、煮干しやかつお節、昆布といった和のだしを重ねてスープを仕立てる作り方が土台になっていると伝わる。中国由来の麺料理をそのまま持ち込むのではなく、蕎麦のつゆに近い澄んだ出汁の考え方に寄せて再設計されたのがこの一杯だという。醤油だれは強すぎず、だしの香りを消さない加減に調える。具材も過剰に飾らず、麺とスープの輪郭をそのまま見せる作り方が貫かれている。
なぜこの形になったのか
一説によると、始まりは明治末、浅草に開いた中華料理店が出した「支那そば」だったという。江戸の頃から蕎麦つゆで澄んだ出汁の味に親しんできた土地の舌に合わせ、中国の麺料理は次第に和風だしへと寄っていったと考えられる。もとからあった蕎麦文化の延長として受け入れやすい形に落ち着いた結果が、この澄んだ醤油スープなのだろう。よそから来た料理が、この土地の水と舌に合わせて姿を変えていった一例といえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ東京都
- 油そばスープを張らず、丼の底にためた醤油だれとごま油を麺にからめて食べる。武蔵野地区の店が昭和30年代に売り出したのが始まりと伝わり、酢とラー油を足して味を変えながら食べ進める。
- 味付け海苔板海苔に醤油と砂糖ベースの味付けをして焼き上げた加工品で、明治期に京都行幸の土産として考案されたと伝わる。パリパリとした食感の中で味と香りが一気に広がり、とくに関西でよく使われる海苔の型という。
- 穴子寿司甘辛く煮たあなごをシャリにのせ、煮詰めたツメを塗った江戸前ずしの定番ネタ。栄養豊かな川が流れ込む東京湾で育ったあなごは江戸の食文化を支えた魚のひとつで、ぬめりを取り除く下ごしらえに職人の技が問われるという。
- あんみつ賽の目に切った寒天に、赤えんどう豆や餡、黒蜜をのせた甘味。もとは蜜と豆だけの「みつ豆」に、昭和初期の銀座の甘味処が自家製の餡をのせたのが始まりと伝わり、和菓子と喫茶文化が交わった型とされる。
- 浅草の七味1625年創業と伝わる、浅草・薬研堀に始まる七味唐辛子の元祖とされる店の調合。江戸有数の薬種問屋街だった土地柄から漢方の知識を活かした調合が生まれたとされ、好みに応じたその場調合でも知られる。
- べったら漬け塩で下漬けした大根を米麹と砂糖で漬け込む、江戸のえびす講で売られた浅漬けが起源とされる漬物。麹の自然な甘さが身上で、日本橋の「べったら市」で今も親しまれている。