鍋・汁もの ── 鍋料理
いもたき
Imotaki
鶏肉や里芋、こんにゃく、しいたけを煮込む鍋で、発祥は大洲市とされる。地元名産の里芋を持ち寄った行事が始まりと伝わり、秋には河原に大勢が集まり月見をしながら囲む愛媛の風物詩という。
- 発祥: 愛媛県大洲市
- 醤油・寄せ鍋系
- 東京から西へ約700km
愛媛県大洲市
何でできているか
秋の夜、河原に据えた鍋からもうもうと湯気が立ち、里芋のほくほくした香りと醤油だしの甘辛い匂いが漂う。鶏肉、里芋、生揚げ、しいたけを煮込んだ素朴な鍋料理で、里芋は親芋から子芋、孫芋へと増えていくことから子孫繁栄の縁起物とされ、祝いの席にも用いられてきた。大洲市が発祥とされ、350年以上前の藩政期にさかのぼる歴史を持つといわれる。
どう作るのか
里芋は皮をむいて薄い塩水で下茹でし、生揚げは一口大に切って油抜きをしておく。白玉粉を耳たぶほどの柔らかさに練った団子を熱湯でゆでておく。鶏肉を油で炒め、里芋と生揚げを加えてだし汁で煮込み、里芋が煮えたところで白玉団子を入れる。醤油と砂糖で甘辛く味付けし、最後にしょうがを効かせて、温かいうちに汁ごといただくのが定番の食べ方とされる。
なぜこの形になったのか
お籠りと呼ばれる伝統行事で振る舞われた鍋に、各自が地元名産の里芋を持ち寄ったのが始まりと伝わる。昭和41年からは河川敷で月を眺めながら味わう観光行事として定着し、最盛期には年間7万人以上が訪れたという。大洲市のほかにも南予地方を中心に県内各地でおこなわれるようになり、秋の夜長に河原で鍋を囲む光景は、愛媛の中秋の風物詩として定着しているとされる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
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- ぼて茶煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- えび天殻ごとすりつぶしたジャコエビを白身魚や豆腐と練り合わせ、油で揚げる東予の練り物。塩分を抑えて豆腐の甘みとエビの香りを立たせ、殻のジャリっとした歯ざわりが持ち味とされる。
- いぎす豆腐海藻のいぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように冷やし固める今治の料理。ひんやりとした食感で暑い盛りの食欲をそそり、エビなどの具を入れる家と入れない家で味わいが分かれるという。
- さつま焼いてほぐした白身魚を麦味噌とすり合わせ、骨でとった出汁でのばして熱い麦飯にかける南予の一杯。ぱさつきがちな麦飯を食べやすくする漁師の工夫と伝わり、地域や家庭で使う魚が違うという。
- 鯛そうめんタイを一尾丸ごと煮て、ゆでた素麺と大皿に盛り、煮汁をかけ汁にして食べる。素麺は七夕の織女に、タイは縁起物にちなむとされ、婚礼や還暦など祝いの席で親族に振る舞われてきたという。
- 鯛めしタイを丸ごと米と炊き込む東予の型と、生の切り身を卵と醤油だれに漬けて熱いご飯にのせる南予の型がある。縁起の良い魚とされ祝いの席でも食べられ、家庭ごとにどちらの食べ方が根付くかが分かれるという。