麺
鯛そうめん
Tai Somen
タイを一尾丸ごと煮て、ゆでた素麺と大皿に盛り、煮汁をかけ汁にして食べる。素麺は七夕の織女に、タイは縁起物にちなむとされ、婚礼や還暦など祝いの席で親族に振る舞われてきたという。
- 発祥: 愛媛県
- 東京から西へ約670km
何でできているか
波打つように盛った素麺の上に、タイを一尾まるごと姿煮にしてのせ、その煮汁をかけ汁や付け汁にしていただく。瀬戸内海沿岸部でよく食べられ、南予地方では錦糸卵や千切りしいたけを添え、薬味とともに味わうという。素麺は七夕の織女にちなむ糸のような食べ物として供物にされたとも伝わり、縁起の良い素麺と魚の王とされるタイの組み合わせは、祝いの席にふさわしい取り合わせとされる。
どう作るのか
タイは調味料で煮て味をつけておく。干ししいたけは水で戻し、調味料で味をつけて煮た後に千切りにする。卵は薄焼きにして錦糸卵をつくり、ねぎは小口切りにする。素麺を茹でて皿に波のように盛り、味をつけたタイをのせて、干ししいたけ、錦糸卵、ねぎを彩りよく散らす。煮汁は別の器に用意し、好みでかけたりつけたりしながら食べ進める。
なぜこの形になったのか
室町時代に七夕へ素麺を食べる風習が生まれ、江戸時代には庶民にも広まったと伝えられる。タイが白波の中を泳ぐように飾る豪華な見た目から、婚礼や棟上げ、還暦などの祝いの席で用いられることが多いという。細く長く続く素麺と、めでたいタイの組み合わせには両家の縁が幾重にも続くようにとの願いが込められているとも伝わり、宇和島市では上座に「ふくめん」と並べて供する風習があるとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ愛媛県
- ぼて茶煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- えび天殻ごとすりつぶしたジャコエビを白身魚や豆腐と練り合わせ、油で揚げる東予の練り物。塩分を抑えて豆腐の甘みとエビの香りを立たせ、殻のジャリっとした歯ざわりが持ち味とされる。
- いぎす豆腐海藻のいぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように冷やし固める今治の料理。ひんやりとした食感で暑い盛りの食欲をそそり、エビなどの具を入れる家と入れない家で味わいが分かれるという。
- さつま焼いてほぐした白身魚を麦味噌とすり合わせ、骨でとった出汁でのばして熱い麦飯にかける南予の一杯。ぱさつきがちな麦飯を食べやすくする漁師の工夫と伝わり、地域や家庭で使う魚が違うという。
- たこ飯伊予灘でとれるタコをぶつ切りにし、昆布や根菜と一緒に米に炊き込む。もともと漁船の上で漁師が獲れたタコをそのまま炊いたのが始まりとされ、仕上げにみかんの皮をのせるのが愛媛らしい。