惣菜
いぎす豆腐
Igisu Dofu
海藻のいぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように冷やし固める今治の料理。ひんやりとした食感で暑い盛りの食欲をそそり、エビなどの具を入れる家と入れない家で味わいが分かれるという。
- 発祥: 愛媛県今治市
- 東京から西へ約640km
愛媛県今治市
何でできているか
ひんやりとした口当たりで、寒天のようにつるりと喉を通る。今治市周辺の浅い海の岩に生える紅藻の一種「いぎす」を生の大豆粉とだし汁で煮溶かし、型に流して冷やし固めた料理で、食欲の落ちる夏場に食べやすいとされる。エビや枝豆などを混ぜ込んで彩りよく仕立てる「具入り」と、何も加えない「具なし」の2種類があり、家庭ごとに混ぜる具材や味つけの塩梅が異なるという。
どう作るのか
いぎすは水で何度も洗ってゴミを取り除き、一晩水にもどしておく。人参やごぼう、しいたけは千切りにして下味をつけ、エビは皮つきのままゆがいて皮を除きみじん切りにする。鍋にいぎすとエビのゆで汁を入れて煮溶かし、生大豆粉を加えてさらに煮る。薄口醤油と下味をつけた具を混ぜ、流し箱に入れて冷やし固め、切り分けてからし酢味噌をかけていただく。
なぜこの形になったのか
いぎすは今治市周辺の海岸で7、8月によく採れる海藻で、この地域ならではの海の恵みを活かした料理として根づいたとされる。「具なし」は醤油やからし味噌をつけて食べる素朴な仕立てで、お盆や法事といった行事の折に供されることが多いという。冷や奴を食べる感覚で口にする人も多く、越智・今治地域の夏を代表する味として親しまれてきたと伝わる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
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- ぼて茶煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- えび天殻ごとすりつぶしたジャコエビを白身魚や豆腐と練り合わせ、油で揚げる東予の練り物。塩分を抑えて豆腐の甘みとエビの香りを立たせ、殻のジャリっとした歯ざわりが持ち味とされる。
- さつま焼いてほぐした白身魚を麦味噌とすり合わせ、骨でとった出汁でのばして熱い麦飯にかける南予の一杯。ぱさつきがちな麦飯を食べやすくする漁師の工夫と伝わり、地域や家庭で使う魚が違うという。
- 鯛そうめんタイを一尾丸ごと煮て、ゆでた素麺と大皿に盛り、煮汁をかけ汁にして食べる。素麺は七夕の織女に、タイは縁起物にちなむとされ、婚礼や還暦など祝いの席で親族に振る舞われてきたという。
- 鯛めしタイを丸ごと米と炊き込む東予の型と、生の切り身を卵と醤油だれに漬けて熱いご飯にのせる南予の型がある。縁起の良い魚とされ祝いの席でも食べられ、家庭ごとにどちらの食べ方が根付くかが分かれるという。
- たこ飯伊予灘でとれるタコをぶつ切りにし、昆布や根菜と一緒に米に炊き込む。もともと漁船の上で漁師が獲れたタコをそのまま炊いたのが始まりとされ、仕上げにみかんの皮をのせるのが愛媛らしい。