麺 ── うどん
讃岐うどん
Sanuki Udon
空海が唐から製法を持ち帰ったと伝わる香川県のうどん。強いコシと澄んだいりこ出汁が特徴で、県内には自分で麺を茹でるセルフ式の店も多い。
- 発祥: 香川県綾川町(滝宮)
- 東京から西へ約550km
香川県綾川町(滝宮)
系譜
讃岐うどん
何でできているか
小麦粉と水と塩だけで打つ生地は、太さのわりに角が立ち、噛むとまず弾き返してくる強いコシに出会う。表面はつるりと滑らかで、噛み進めるうちに小麦そのものの甘みがじんわり広がる。そのあとにいりこ(煮干し)でとった澄んだ出汁の塩気とうまみが追いかけ、薬味のねぎとしょうがが後味を締める。かけうどんの一杯は、麺そのものの食感を楽しむための器のように軽い。
どう作るのか
小麦粉に塩水を加えてこね、足で踏んでは畳むを何度も繰り返して生地を締める。踏むたびに生地はしなやかさを増し、しばらく寝かせて落ち着かせたのち、包丁で均一な太さに切り分け、たっぷりの湯で茹でる。釜から上げたては「釜あげ」、水で締めれば「ざる」、出汁をかければ「かけ」など、同じ麺を状態のまま食べ方だけ変えるのが讃岐流。
なぜこの形になったのか
一説によると、製法は空海が唐から持ち帰ったと伝わる。真偽はさておき、香川は年間降水量が全国平均の6割ほどしかない乾いた土地で、稲作より小麦や塩の生産に向いていた。晴天が続く瀬戸内の気候が塩田を育て、近海ではいりこの原料となる片口いわしが獲れる。強いコシの麦の麺、澄んだいりこ出汁、効いた塩気——讃岐うどんの骨格は、雨の少ない土地が用意した材料をそのまま映している。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
使う
同じ香川県
- アジの三杯焦げ目をつけて焼いたアジを、唐辛子や刻みしょうがを効かせた三杯酢に漬ける。酢が骨をやわらげ丸ごと食べられるようにする工夫で、小アジが出回る瀬戸内の夏祭りの酒肴として親しまれてきたという。
- あんもち雑煮煮干し出汁に大根と金時人参、あん入りの丸餅を煮て、最後に白味噌を溶き入れる正月の雑煮。江戸期に貴重だった砂糖を使い切る一年一度のごちそうとして始まったと伝わる。
- えびみそ汁殻ごとすりつぶした小エビを米のとぎ汁でのばし、白味噌と豆腐を加えて煮る汁物。三豊市豊中町の宇賀神社で約300年続くどぶろく祭りに、神事の振る舞い料理として添えられてきたという。
- はげ団子収穫したての小麦粉でつくった団子を、小豆であんをまぶした素朴な菓子。梅雨明けの節目にあたる半夏生(7月2日ごろ)に農作業をねぎらってつくり、神仏に供えて家族で食べる。
- いかなご醤油イカナゴを塩とともに半年以上発酵させて造る魚醤で、香川県高松市庵治町が主産地とされる。一時は姿を消したが1998年頃に地元有志の手で復活したと伝わり、日本三大魚醤の一つに数えられる。
- いもたこ瀬戸内海でとれるタコと里芋を、だしと調味料でともに煮付けたシンプルな一品。かつては正月や婚礼などのハレの日のごちそうだったが、今は日常の惣菜としてよくつくられるという。