ごはんもの ── 寿司
ボウゼの姿寿司
Boze no Sugata-zushi
イボダイの地方名ボウゼを一尾丸ごと開いて酢飯を包み、姿のまま仕立てる徳島の秋祭りずし。新鮮なボウゼほど身が締まって姿寿司に向くとされ、皿の上でも魚の形がそのまま残る。
- 発祥: 徳島県徳島市
- 東京から西へ約510km
徳島県徳島市
系譜
ボウゼの姿寿司
何でできているか
ボウゼと呼ばれる白身魚(標準和名イボダイ)を背開きにして骨と内臓を除き、塩と酢でしめる。開いた一尾でそのまま酢飯を包み込み、頭からしっぽまでの姿を保った状態に仕立てる。切り分けずに一尾のまま盛られるため、皿の上でも魚の形がそのまま見え、酢でしまった皮の銀色が艶やかに光る。頭からしっぽの先までの一連の姿が、祭りの膳にそのまま並ぶ迫力を生んでいる。
どう作るのか
ボウゼは背開きにして中骨と内臓を除いたのち、塩をあてて三十分から一時間置く。塩を洗い流して酢に浸し、同じく三十分から一時間ほどしめる。酢飯を魚の腹に詰めるように包み込み、姿を整えてすだちを添えて供する。塩と酢、それぞれの時間をどう配分するかが身の締まり方を左右し、仕込む人の経験によって微妙に異なるという。
なぜこの形になったのか
この形は秋祭りの季節に発展したとされる。ボウゼは徳島の沿岸で夏から秋にかけて新鮮なものが手に入りやすく、身が締まっているほど姿寿司として扱いやすいという理由から、この地方独特の一尾仕立てが根づいたと考えられている。全国では焼き物や煮魚が主な食べ方で、姿寿司にするのは徳島ならではの調理法とされ、地元では秋祭りの膳に欠かせない一品として親しまれている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。