酒 ── 焼酎・泡盛
泡盛
Awamori
タイ米と黒麹だけを使い、米のすべてを麹にする全麹仕込みで造る沖縄の蒸留酒。黒麹由来のクエン酸のおかげで高温多湿の気候でももろみが腐敗しにくいとされ、単式蒸留機で仕上げる焼酎の仲間だという。
- 発祥: 沖縄県
- 黒糖・泡盛
- 東京から南西へ約1560km
系譜
何でできているか
原料はタイ米と黒麹だけで、日本酒や多くの焼酎のように米麹と掛け米を分けず、米のすべてを黒麹にしてから仕込む全麹仕込みが特徴とされる。黒麹が生み出すクエン酸のおかげで独特の芳醇な香りと、しっかりした酒質を持つとされ、蒸留直後は60度前後にもなる原酒を43度以下まで割り水して仕上げるのが一般的だという。3年以上寝かせた古酒はさらに芳香が増すとされる。
どう作るのか
蒸したタイ米に黒麹菌を繁殖させて米麹を作り、そこに水と酵母を加えて一気にもろみを仕込む一次仕込みのみで、日本酒や多くの焼酎にある二次仕込みは行わないとされる。気温の高い沖縄では発酵の進みが早く、もろみの温度管理が特に重要とされる。発酵を終えたもろみは単式蒸留機で一度だけ蒸留され、その後の貯蔵年数によって古酒(クース)として扱われる酒質へと育っていく。
なぜこの形になったのか
15世紀ごろ、中国・東南アジアと交易していた琉球王国にシャム(タイ)の蒸留技術が伝わり、泡盛の原型ができたとされる。高温多湿な気候の中でクエン酸を多く生む黒麹を選んだことで、もろみの腐敗を防ぎながら長期保存できる酒質が育まれたとされる。王府の管理下で首里三箇に限って製造が許され、今も地理的表示「琉球泡盛」として沖縄県内での製造が守られているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
本場
- 沖縄県 那覇市首里 本場
琉球王国時代、泉が豊富で王府に近い首里の赤田・崎山・鳥堀の3町(首里三箇)にだけ「焼酎職」という職人が置かれ、王府の直接管理のもとで泡盛が造られたと伝わる。
- 沖縄県 八重山郡与那国町 本場
日本最西端の与那国島では、蒸留直後の高濃度な初留部分をそのまま瓶詰めする「花酒」という60度の酒が伝統的に造られ、酒税法上は泡盛と区別されているという。
派生
同じ沖縄県
- 足ティビチ豚足を昆布や大根とともに、骨がすっと抜けるほどやわらかくなるまで長時間煮こむ。「弱った部位と同じ部位を食べる」という以類補類の考え方から、脚に不調のある人や年配者、美容を気づかう人に好まれてきたとされる。
- 血イリチー豚の血に、豚肉やにんじん、きくらげなどを加えて炒め煮にする沖縄独特の料理。不調のある部位と同じ部位を食べて補うという以類補類の考えから貧血予防の薬効も期待され、旧正月前や法事の供え物として振る舞われてきた。
- チムシンジ豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ゴーヤーチャンプルー苦味のあるゴーヤーを、しっかりとした沖縄豆腐や卵と炒め合わせる。豆腐が入ってはじめて「チャンプルー」と呼べるとされ、夏の暑さで落ちる食欲とビタミンCの摂取を同時に支える一皿として、季節を問わず食卓に上る。
- ヒージャー汁ヤギの肉や内臓を大鍋でじっくり煮こみ、香りの強いよもぎや苦菜を加えて塩味で仕上げる。独特の風味は好みが分かれるとされるが、棟上げや新築祝いなど大勢が集まる祝いの席で振る舞われてきた料理である。