麺 ── ラーメン
冷やしラーメン
Hiyashi Ramen
スープまで冷たい、氷の浮かぶラーメン。暑い盆地の夏が生んだ。
- 発祥: 山形県山形市
- 醤油
- 東京から北へ約290km
山形県山形市
何でできているか
どんぶりの中で氷が浮いている、というのがまず目を引く。スープごと冷たく仕立てた醤油ラーメンで、かつおと昆布でとった出汁は冷えても風味が沈まない。麺も冷水でしめてあり、すすると清涼感がまっすぐ喉を通る。真夏に汗だくで食べる一杯として知られている。氷が溶けて薄まるまでの間に食べ切ることが、この一杯を味わい尽くすコツとされる。
どう作るのか
かつおと昆布で出汁をとり、醤油だれを合わせたスープをしっかり冷やすのが基本とされる。麺も茹でたあと冷水でしめ、コシを保ったまま提供する。仕上げに氷を丼へ直接浮かべることで、食べ終わるまでスープの温度がぬるまないようにする工夫が、この一杯の核とされる。温かいラーメンと同じだしを使いながら、冷やす工程だけを丸ごと足した格好になっている。
なぜこの形になったのか
一説によると、そば屋だった店が「夏でも冷たい蕎麦のようにラーメンを食べたい」という常連客の声を受け、試行錯誤の末に考案したのが始まりだという。山形盆地は夏の暑さが厳しいことで知られる土地で、熱いラーメンを避けたい季節の需要に、スープごと凍らせるほど冷やすという答えが返された結果と読める。盆地特有の蒸し暑さが、だしの温度まで疑う発想を後押ししたのだろう。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ山形県
- 赤湯辛味噌ラーメン味噌スープの中央に辛味噌を乗せ、溶かしながら味を変えて食べる。
- あけびの味噌詰め焼きほろ苦いあけびの皮に、ひき肉と舞茸を味噌と砂糖で煎り煮したものを詰め、タコ糸で結んで焼く秋の一品。全国では実の白い部分を食べるのが一般的だが、山形では皮を食べる珍しい食文化が根づいているという。
- どんがら汁寒の時季にとれる寒ダラを頭から内臓まで余さず味噌仕立ての汁にする、庄内の漁師料理が起こりとされる冬の一杯。あぶらわたと呼ぶ肝のこくが決め手で、ねぎは入れず岩のりだけを添えるのが本来という。
- ハタハタの湯上げ産卵のため庄内浜に押し寄せるハタハタを丸ごと湯がき、大根おろしと醤油だけで食べるシンプルな冬の魚料理。うろこがなく下処理が手軽なことから、庄内の秋冬の食卓に定着してきたという。
- ひょう干しの煮物夏に摘んだすべりひゆ(ひょう)を茹でて天日干しにした保存食を戻し、糸こんにゃくや人参、油揚げと炒め煮にする正月料理。「今年も“ひょっと”していいことがありますように」と縁起を担いで食べるという。
- 芋煮里芋と牛肉、こんにゃく、ねぎを醤油味で煮込む秋の鍋で、最上川舟運の船頭が河原で棒ダラと里芋を煮て待ち時間を過ごしたのが始まりと伝わる。庄内側では豚肉と味噌仕立てに変わるなど地域差も大きい。