麺 ── ラーメン
肉中華
Niku Chuka
冷たい肉そばのタレに中華麺を合わせた、山形県河北町の一杯。親鶏の旨みを凝縮した甘じょっぱいタレを、真冬でも冷たいまま楽しむのがこの土地の流儀。
- 発祥: 山形県西村山郡河北町
- 醤油
- 東京から北へ約310km
山形県西村山郡河北町
何でできているか
主役はそばではなく、親鶏——卵を産み終えた老いた鶏——の旨みを凝縮した甘じょっぱいタレ。このタレを、そばの代わりに中華麺にかけたのが肉中華で、硬めに茹でた親鶏のチャーシューと刻みねぎがのる。タレは冷やして提供されることが多く、真冬でも冷たい一杯を好んで注文する人が多いというのが河北町らしいところ。中華麺のコシと、冷たいタレの甘じょっぱさが噛むほどに馴染んでいく。
どう作るのか
ベースになるのは、そばの町・河北町に伝わる冷たい肉そばのタレ作り。親鶏の旨みをじっくり引き出しただしに、甘じょっぱい味つけを合わせ、そのタレを一度冷やしてから使う。麺を田舎そばではなく中華麺に替えるだけで、同じタレと具材の構成をそのまま転用できるのがこの一杯の骨格になっている。コシの強い中華麺を選ぶことで、冷たいタレをまとわせても伸びにくく仕上げている。
なぜこの形になったのか
一説によると、戦前にそば屋が居酒屋を兼ねていた頃、馬肉の煮込みを肴に酒を飲み、残ったタレをそばにかけて締めたのが肉そばの起源という。戦争で馬が手に入りにくくなると、どこの家にもいた親鶏がタレの主役に代わったと伝わる。そばの代わりに中華麺を使う肉中華は、この肉そば文化が広がる中で生まれた派生形とされ、河北町では今もそばと並ぶ定番として食べられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山形県
- 赤湯辛味噌ラーメン味噌スープの中央に辛味噌を乗せ、溶かしながら味を変えて食べる。
- あけびの味噌詰め焼きほろ苦いあけびの皮に、ひき肉と舞茸を味噌と砂糖で煎り煮したものを詰め、タコ糸で結んで焼く秋の一品。全国では実の白い部分を食べるのが一般的だが、山形では皮を食べる珍しい食文化が根づいているという。
- どんがら汁寒の時季にとれる寒ダラを頭から内臓まで余さず味噌仕立ての汁にする、庄内の漁師料理が起こりとされる冬の一杯。あぶらわたと呼ぶ肝のこくが決め手で、ねぎは入れず岩のりだけを添えるのが本来という。
- ハタハタの湯上げ産卵のため庄内浜に押し寄せるハタハタを丸ごと湯がき、大根おろしと醤油だけで食べるシンプルな冬の魚料理。うろこがなく下処理が手軽なことから、庄内の秋冬の食卓に定着してきたという。
- ひょう干しの煮物夏に摘んだすべりひゆ(ひょう)を茹でて天日干しにした保存食を戻し、糸こんにゃくや人参、油揚げと炒め煮にする正月料理。「今年も“ひょっと”していいことがありますように」と縁起を担いで食べるという。
- 芋煮里芋と牛肉、こんにゃく、ねぎを醤油味で煮込む秋の鍋で、最上川舟運の船頭が河原で棒ダラと里芋を煮て待ち時間を過ごしたのが始まりと伝わる。庄内側では豚肉と味噌仕立てに変わるなど地域差も大きい。