麺 ── ラーメン
松山瓢系ラーメン
Matsuyama Hyota-kei Ramen
鶏がらと豚皮の出汁に、甘辛く煮たチャーシューの煮汁を合わせた松山のご当地ラーメン。1980年創業の店の味が、系統として受け継がれてきたことからこの名で呼ばれるという。
- 発祥: 愛媛県松山市
- 醤油
- 東京から西へ約670km
愛媛県松山市
何でできているか
鶏がらと豚皮からとった出汁に、甘辛く煮たチャーシューの煮汁を合わせた、ほのかに甘みを感じるスープが特徴。細めのストレート麺との相性がよく、仕上げに振られたコショウの香りが甘さの輪郭を引き締める。同じ愛媛県内でも魚介だし中心の今治ラーメンとは対照的な、動物系の甘い味わいでまとめられている。コショウの代わりに柚子胡椒を選べる店もあり、甘さと辛さのバランスを客が調整できる工夫も見られる。## どう作るのか 鶏がらと豚皮を炊いて出汁を取り、別に甘めの醤油だれで煮込んだチャーシューの煮汁をスープへ合わせて調合する。この煮汁が甘みの核になっており、単なる醤油だれの甘さとは違う、肉の旨味を含んだ甘さになる。麺は細いストレート麺を合わせ、仕上げにコショウを振ることで全体の味を引き締める。煮汁の甘さは店によって濃淡があり、同じ「系」を名乗る店でも味の輪郭は少しずつ異なるとされる。## なぜこの形になったのか 1980年創業の松山の店が生み出した甘口の一杯が、その味を継ぐ店によって「系」と呼ばれる一つの系統として受け継がれてきたと伝わる。見て覚える形で技術が伝えられてきたといい、鶏がらと豚皮、甘辛いチャーシュー煮汁という組み合わせそのものが、この系統を特徴づける骨格になっている。師弟関係で伝えられてきたこの技法が、松山の中華麺文化の中で独自の一系統として認識されるようになったという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ愛媛県
- ぼて茶煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- えび天殻ごとすりつぶしたジャコエビを白身魚や豆腐と練り合わせ、油で揚げる東予の練り物。塩分を抑えて豆腐の甘みとエビの香りを立たせ、殻のジャリっとした歯ざわりが持ち味とされる。
- いぎす豆腐海藻のいぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように冷やし固める今治の料理。ひんやりとした食感で暑い盛りの食欲をそそり、エビなどの具を入れる家と入れない家で味わいが分かれるという。
- さつま焼いてほぐした白身魚を麦味噌とすり合わせ、骨でとった出汁でのばして熱い麦飯にかける南予の一杯。ぱさつきがちな麦飯を食べやすくする漁師の工夫と伝わり、地域や家庭で使う魚が違うという。
- 鯛そうめんタイを一尾丸ごと煮て、ゆでた素麺と大皿に盛り、煮汁をかけ汁にして食べる。素麺は七夕の織女に、タイは縁起物にちなむとされ、婚礼や還暦など祝いの席で親族に振る舞われてきたという。
- 鯛めしタイを丸ごと米と炊き込む東予の型と、生の切り身を卵と醤油だれに漬けて熱いご飯にのせる南予の型がある。縁起の良い魚とされ祝いの席でも食べられ、家庭ごとにどちらの食べ方が根付くかが分かれるという。