鍋・汁もの ── 鍋料理
すき焼き(関西風)
Sukiyaki (Kansai-fu)
牛脂をなじませた鍋で肉を焼き、砂糖と醤油をじかにかけて味つけするすき焼き。鋤の上で魚や肉を焼いた「鋤焼き」の流れをくむとされ、関東風が煮るのに対してこちらは焼いてから煮る。
- 発祥: 大阪府大阪市
- 割下・すき焼き系
- 東京から西へ約400km
大阪府大阪市
系譜
すき焼き(関西風)
何でできているか
鉄鍋に牛脂をなじませ、牛肉を広げて焼く。肉に火が入ったところへ砂糖をふり、醤油をじかにかけると、甘い香ばしさが立ちのぼる。肉を食べたあとに、ねぎや焼き豆腐、しらたきなどを入れ、野菜の水気と残った味で焼き煮にしていく。割り下を使わないぶん、肉の脂と甘辛さが直接舌に届く。焼き色のついた肉に砂糖の甘みがからむと、牛脂の香りが一段と立つ。
どう作るのか
熱した鍋に牛脂をひき、肉だけを入れて七、八分ほど焼けたところで砂糖と醤油を加える。肉を取って卵につけて食べたら、野菜を入れて蓋をし、出てきた水分で煮ていく。味つけは鍋の中でその都度決めるので、砂糖と醤油の量は焼きながら加減する。割り下を使う家庭は多くない。割り下を使わないため、同じ材料でも家ごとに砂糖と醤油の配分が変わり、味は鍋の前に立つ人の手に委ねられる。
なぜこの形になったのか
関西では古くから、田畑で使う鋤の刃の上で魚や肉を焼いて食べたと伝わり、「魚すき」と呼ばれる料理も早くからあったとされる。この焼く調理が牛肉にも引き継がれたのが関西風だと説明される。大阪では砂糖と醤油だけで食べる関西風を「家庭の味」とする見方があり、牛肉を焼く食べ方が根づいた土地だったことがうかがえる。関東風が煮る牛鍋から、関西風が焼く鋤焼きから、と出発点が分かれたと説明される。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ大阪府
- あかねこ蒸したもち米と小麦粉をついた餅に砂糖ときな粉をまぶす「半夏生もち」。田植えを終えた感謝と豊作祈願で食べられ、皮ごと挽いた小麦粉で餅が褐色になり、猫の丸い背中に似ることから名がついたと伝わる。
- バッテラ薄切りの〆鯖と白板昆布を木枠で押し固める箱寿司。南船場の「寿司常」が明治24年に考案し、当初使ったコノシロの寿司の形が小舟に似ていたことからポルトガル語で小舟を意味する名がついたと伝わる。
- 紅しょうが天梅酢に漬けた紅しょうがの薄切りに衣をつけて揚げる天ぷら。梅酢の酸味としょうがの辛みが酒によく合い、昭和15年発表の織田作之助『夫婦善哉』にも一銭天ぷらとして登場するほど古くからの大阪庶民の味という。
- 紅ずいきと油揚げの炊いたん背丈2mにもなる赤褐色のずいき「紅ずいき」を酢水でアク抜きし、油揚げと出汁・醤油で煮含める夏のおばんざい。スポンジ状の断面が味をよく含み、大阪府の「なにわ特産品」にも選ばれているという。
- どて焼き下茹でした牛すじを、鍋のふちに土手のように盛った味噌とみりんで長時間煮込む。甘辛く濃厚な味わいが酒によく合い、新世界エリアに提供店が多い大阪の下町グルメとして親しまれているという。
- 恵方巻き節分の日、その年の縁起の良い方角「恵方」を向いて無言で丸かぶりする太巻き寿司。起源は定かでないが、花街の遊びや大阪・船場の商家が商売繁盛を願っておこなったなど諸説が伝わっている。