鍋・汁もの ── 鍋料理
もつ鍋
Motsunabe
牛の小腸などのもつを、キャベツとニラ、にんにく、唐辛子とともに醤油や味噌のスープで煮る福岡・博多の鍋。戦後に炭鉱で働く人々が、もつとニラを醤油の味でアルミ鍋で炊いたのがはじまりとされる。
- 発祥: 福岡県福岡市
- 醤油・寄せ鍋系
- 東京から西へ約890km
福岡県福岡市
何でできているか
福岡で主流の牛の小腸は、ぷりっとした弾力があり、噛むと脂の甘みが広がる。そこへキャベツの甘みが煮汁に溶け、ニラの香りとにんにく、唐辛子の辛みが重なる。醤油か味噌で味をつけたスープは、水炊きと違い、出汁にしっかり味がついているのが特徴とされる。もつは下ごしらえをていねいにすると臭みが抑えられ、脂のとろけるような甘みが前に出てくる。
どう作るのか
鍋に味つけしたスープを張り、キャベツとニラを敷いたところへもつを入れて煮る。もつの脂がスープに溶けて甘みが出るので、野菜から先に食べ、そのあと肉質を味わう店も多い。食べ終えたら残ったスープにちゃんぽん麺を入れて仕上げるのが定番で、ご飯や雑炊、うどんを入れる食べ方もある。にんにくと唐辛子は、もつ特有のくせを抑えつつ、スープに力強さを与える役目を持つ。
なぜこの形になったのか
戦後まもない福岡で、炭鉱の人々がアルミ製の鍋にもつとニラを入れ、醤油味で炊いたのがはじまりとされる。のちに博多の店で、客が持ち込んだちゃんぽん麺を最後に入れたことから〆の習慣が生まれたと伝わる。1992年に博多風のもつ鍋の店が東京に出店すると、全国に知られるようになった。ちゃんぽん麺を入れるとボリュームが出て、食事代わりにも食べられるようになったと伝わる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ福岡県
- あぶってかもスズメダイに塩をまぶして一晩おき、鱗も内臓も除かずに炙る。小骨が多く敬遠されがちな魚だが、明治期の博多湾で大量に獲れた際に塩をふって焼いてみたのが始まりと伝わる。
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- べたもち小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。