甘味
べたもち
Beta Mochi
小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- 発祥: 福岡県
- 東京から西へ約820km
何でできているか
小麦粉の生地に、きな粉や小豆の粒あんを合わせた餅菓子。舌平目を指す地元の呼び名「ベタ」の平らな形になぞらえてつくられているという。地域によってはさつまいもを生地に練り込むこともあるという。豊前海でとれる舌平目にちなんだ、地域色の強い菓子だとされ、古くから田植えのねぎらいの席で振る舞われてきたそうだ。
どう作るのか
砂糖を入れたきな粉をたっぷりまぶすか、少しゆるめにした小豆の粒あんでいただくのが昔ながらの食べ方とされる。最近ではトッピングにこだわったり、おもちスイーツとして扱う店も出てきているという。田植えの後の宴のごちそうとして並ぶこともある一品で、生地を平らにぺたんと薄く仕上げるのが最大の特徴だとされている。
なぜこの形になったのか
稲作とともに小麦の栽培も盛んな土地で、田植えの無事を感謝する行事の際に欠かせない一品として伝わってきたという。行事に参加した人をねぎらい、秋の豊作を願う場でふるまわれてきたという。田の神様が天にのぼる様子になぞらえた行事名が、この菓子の食習の背景にあり、農家にとって特に大切にされてきた行事だと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ福岡県
- あぶってかもスズメダイに塩をまぶして一晩おき、鱗も内臓も除かずに炙る。小骨が多く敬遠されがちな魚だが、明治期の博多湾で大量に獲れた際に塩をふって焼いてみたのが始まりと伝わる。
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。
- えびざっこアカエビやサルエビなど数種の小型エビを甘めの醤油でさっと煮て、残った煮汁でそうめんを煮込む。豊前海でまとめて水揚げされる雑多なエビを新鮮なうちに味わう漁師の料理という。