惣菜
くじゃく
Kujaku
赤く着色したゆで卵を緑に染めた白身魚のすり身で包み、蒸すか揚げてつくる佐伯市蒲江の料理。輪切りにした断面がくじゃくの羽の模様に見えることが名の由来で、正月や祝い事の彩りとして食べられてきた。
- 発祥: 大分県佐伯市
- 東京から西へ約800km
大分県佐伯市
何でできているか
佐伯市蒲江地区に伝わる「くじゃく」は、白身を赤く染めたゆで卵を、緑色に着色した白身魚のすり身で包んだもの。輪切りにすると緑、赤、白、黄色の断面が現れ、くじゃくの羽根模様のように見えることからこの名がついたという。華やかな見た目に反して、味わいは魚のすり身らしい素朴な旨みという。お正月など祝いの席を彩る一品という。
どう作るのか
ゆで卵の殻をむき、白身部分を食紅で赤く染める。エソなどの白身魚をミンチにし、砂糖や塩、卵、片栗粉と合わせてすり鉢ですり、緑色の食紅を加える。片栗粉をまぶした卵をすり身で包み、15分ほど蒸すか、180℃の油でかたくならないようサッと揚げる。蒸したものが本来の食べ方とされるが、現在は揚げるほうが多いという。輪切りにして断面を見せるように盛り付ける。
なぜこの形になったのか
豊後水道に近い佐伯では、水揚げされたエソなどの魚を無駄にしないよう、すり身に加工する文化が根づいていたとされる。すり身を色付けして卵を包むことで、質素な材料からも華やかな一皿をつくり出す工夫が生まれたと伝わる。あざやかな彩りから、お正月のお節や運動会のお弁当など、ハレの日の料理として定着していったという。近年は人工着色料を避け、色付けをしない商品も出回るようになった。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ大分県
- あじの丸ずし梅酢でしめたアジを丸ごと開き、酢飯を包んで赤しそで巻いた佐伯市の祝いずし。骨や内臓を丁寧に取り除く手間のかかる仕事で、豊後水道の脂ののったアジが手に入る土地ならではの一品とされる。
- あみめしみりんや醤油、しょうがで甘辛く煮付けたアミの佃煮を、炊きたてのごはんに混ぜ込む宇佐市・中津市・豊後高田市域の料理。豊前海の干潟で秋から冬に水揚げされるアミを活かす、県北地域の人気料理の一つ。
- 頭料理アラやクエなど大型魚のえら、あご、内臓まで余さず湯びきして大皿に盛る竹田市の料理。海から遠い内陸の竹田で、貴重な魚を無駄なく味わうために生まれたとされ、三杯酢やかぼすのたれでいただく。
- あゆうるかアユの身や内臓を刻んで塩を加え、1週間ほど発酵・熟成させる大分の塩辛。三隈川や大野川など清流の恵みを保存するために生まれたとされ、内臓だけを使う「にがうるか」は独特の苦味が持ち味。
- 別府冷麺昭和25年(1950年)頃、旧満州から引き揚げてきた料理人が別府で冷麺を作り始めたのが広まりのきっかけとされる。同年創業の「元祖アリラン」がその代表格とされ、和風の魚介だしにそば粉や小麦粉、でんぷんを使った麺を合わせるのが土地の型になった。
- だんご汁小麦粉をこねて薄い帯状に伸ばした「だんご」を、根菜やしいたけと共に麦味噌仕立ての汁で煮込む大分の日常食。米づくりに適さない台地が多く粉食文化が根づいた大分ならではの一椀で、うどんより強いコシが持ち味。