揚げもの ── 揚げ物
とんかつ
Tonkatsu
豚肉に衣をつけて揚げ、キャベツを添えた一皿。明治期に銀座で開業した洋食店がカツレツを手がけ、キャベツの千切りを添えるなどの工夫を重ねたと伝わる、洋食由来の代表格。
- 発祥: 東京都中央区
東京都中央区
系譜
何でできているか
豚ロースやヒレに小麦粉・卵・パン粉をまとわせ、たっぷりの油できつね色に揚げる。衣は厚みがあるのにべたつかず、噛むとザクッという乾いた音がして、その奥から肉汁がじわりとにじみ出る。千切りキャベツの水気とソースの酸味が、脂の重さを都度リセットしてくれる。皿の上で肉と衣とキャベツがそれぞれの持ち場を守っているような、役割のはっきりした一皿である。
どう作るのか
厚切りの豚肉に小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけ、170度前後の油でじっくりと揚げる。中まで火を通しながら衣を焦がさないよう油の温度管理が要とされ、揚げたあとに数分休ませて余熱で肉汁を落ち着かせる店もあるという。皿にキャベツの千切りを添えて供するのが定番の形とされ、ソースを直接かけるかつけて食べるかは好みが分かれるという。
なぜこの形になったのか
一説には、明治28年に銀座で開業した洋食店が、カツレツに代表される揚げ物料理を手がけ、キャベツの千切りを添えたり、ご飯を同じ皿に盛ったりする工夫をしたと伝わる。西洋料理のカツレツを、箸で食べやすい厚みと付け合わせに翻案していく過程で、今日のとんかつの形が整えられていったとみられている。ナイフとフォークを使わずに食べられる形へ寄せていった工夫の跡が、今の姿に残っているといえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
派生
対比
同じ東京都
- 油そばスープを張らず、丼の底にためた醤油だれとごま油を麺にからめて食べる。武蔵野地区の店が昭和30年代に売り出したのが始まりと伝わり、酢とラー油を足して味を変えながら食べ進める。
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- 浅草の七味1625年創業と伝わる、浅草・薬研堀に始まる七味唐辛子の元祖とされる店の調合。江戸有数の薬種問屋街だった土地柄から漢方の知識を活かした調合が生まれたとされ、好みに応じたその場調合でも知られる。
- べったら漬け塩で下漬けした大根を米麹と砂糖で漬け込む、江戸のえびす講で売られた浅漬けが起源とされる漬物。麹の自然な甘さが身上で、日本橋の「べったら市」で今も親しまれている。