発酵・保存
こはだの粟づけ
Kohada no Awazuke
塩でしめて酢漬けにしたこはだを、クチナシで黄色く染めた蒸し粟と交互に重ねて漬ける正月料理。出世魚であるこはだを使うことで縁起を担ぎ、酢を強めにすることで重箱に詰めても日持ちするようにしたと伝わる。
- 発祥: 東京都
何でできているか
コハダを塩でしめて酢に漬け、クチナシで黄色く染めた蒸し粟と交互に重ねて漬け込んだおせち料理とされる。酢の酸味と粟の甘み、しょうがや唐辛子の辛みが層になり、噛むほどに味わいが変化する。出世魚であるコハダを用いることから、正月料理として縁起を担ぐ意味合いも込められているといい、二の重を彩る一品として重宝されてきたという。
どう作るのか
コハダの頭と内臓、骨を取り除き、塩でしめてから酢に漬ける。蒸した粟を冷まし、しょうがのみじん切りや輪切りの唐辛子を混ぜたものと、酢漬けにしたコハダを交互に容器へ重ねて漬け込む。数時間でも食べられるが、二、三日漬けると味がなじみ食べごろになるとされ、酢を強めにすると保存性も一段と高まるといわれている。
なぜこの形になったのか
成長とともに呼び名が変わる出世魚のコハダを用いることで、正月料理にふさわしい縁起を担いだと伝わる。黄色く染めた粟と合わせるのは五穀豊穣を願う組み合わせとされ、重箱に詰めて日持ちさせるため、酢を強めに効かせて保存性を高める工夫も加えられているといい、年末年始の食卓を昔から今日までずっと支え続けてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ東京都
- 油そばスープを張らず、丼の底にためた醤油だれとごま油を麺にからめて食べる。武蔵野地区の店が昭和30年代に売り出したのが始まりと伝わり、酢とラー油を足して味を変えながら食べ進める。
- 味付け海苔板海苔に醤油と砂糖ベースの味付けをして焼き上げた加工品で、明治期に京都行幸の土産として考案されたと伝わる。パリパリとした食感の中で味と香りが一気に広がり、とくに関西でよく使われる海苔の型という。
- 穴子寿司甘辛く煮たあなごをシャリにのせ、煮詰めたツメを塗った江戸前ずしの定番ネタ。栄養豊かな川が流れ込む東京湾で育ったあなごは江戸の食文化を支えた魚のひとつで、ぬめりを取り除く下ごしらえに職人の技が問われるという。
- あんみつ賽の目に切った寒天に、赤えんどう豆や餡、黒蜜をのせた甘味。もとは蜜と豆だけの「みつ豆」に、昭和初期の銀座の甘味処が自家製の餡をのせたのが始まりと伝わり、和菓子と喫茶文化が交わった型とされる。
- 浅草の七味1625年創業と伝わる、浅草・薬研堀に始まる七味唐辛子の元祖とされる店の調合。江戸有数の薬種問屋街だった土地柄から漢方の知識を活かした調合が生まれたとされ、好みに応じたその場調合でも知られる。
- べったら漬け塩で下漬けした大根を米麹と砂糖で漬け込む、江戸のえびす講で売られた浅漬けが起源とされる漬物。麹の自然な甘さが身上で、日本橋の「べったら市」で今も親しまれている。