肉 ── 和牛
佐賀牛
Saga Gyu
きめ細かな霜降りを基準に選ばれる、九州を代表する銘柄のひとつ。
- 発祥: 佐賀県
- 東京から西へ約910km
系譜
何でできているか
肉質等級が5または4で、脂肪交雑を示すBMS値が7以上と判定された枝肉だけを佐賀牛と呼ぶ。柔らかな赤身の中にきめ細かなサシが入った霜降りが特徴で、それに満たないものは「佐賀産和牛」として区別されるという、線引きの明確な銘柄になっている。全国に約350ともいわれる牛銘柄の中でもトップクラスの品質を誇るとされる。
どう作るのか
佐賀県農業協同組合・唐津農業協同組合・伊万里市農業協同組合というJAグループ佐賀管内の肥育農家が、子牛のうちからストレスのかからない環境を整え、独自のエサ配合と給与方法で一頭ずつ手をかけて育て上げる。出荷後の格付けでBMS7以上をクリアした個体だけが、最終的に佐賀牛を名乗れる。それに届かなかった牛も無駄にはならず、佐賀産和牛として流通する。
なぜこの形になったのか
一説によると、複数のJAにまたがる産地をひとつの銘柄としてまとめるために、BMS7以上という明確な数値基準を設けたことが、佐賀牛という名前の線引きを支えてきたとされる。地域ごとにばらつきが出やすい和牛を、数値基準で束ねてひとつの名前にする発想が、この銘柄の骨格になっていると読める。産地の広さと基準の厳しさを両立させる、佐賀ならではの工夫だったとも読み取れる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ佐賀県
- あらの姿煮10kgほどにもなるアラ(クエ)を丸ごと大鍋で1日がかりで煮込む。唐津くんちで留守を守る女性たちが客をもてなす「くんち料理」の目玉とされ、戦後、見栄えを競って始まったと伝わる。
- ふなんこぐい昆布で巻いたフナをダイコンなどと大鍋でじっくり煮込み、姿のまま骨まで柔らかく仕上げる。有明海の漁が乏しい冬のたんぱく源として重宝され、鹿島市では恵比寿様への正月の供え物にもなるという。
- ふつもちつきたての餅にゆでたよもぎを練り込み、あんこを包む。全国で桃の節句に菱餅を供えるのに対し、佐賀ではこの「ふつ餅」を供える地域があり、春の訪れを告げるおやつでもあるという。
- 呉豆腐のごま醤油かけ豆乳に葛やでんぷんを加えて固める、有田町に伝わる独特の豆腐。にがりで固める通常の豆腐よりも柔らかくつやがあり、ごま醤油をかけて副菜に、黒蜜やきな粉でスイーツにもなるという。
- 干し柿なます千切りにしたダイコンと干し柿を、酢とゆずの搾り汁、醤油で和える。軒先に渋柿を吊るす「柿のれん」が秋の風物詩となる佐賀市大和町松梅地区で、正月のおせちに添えられるという。
- いかのかけ和えイカと大根、人参をすりごま入りの酢味噌で和える。魚介とダイコンを合わせるこの手の料理は各地にあるが、佐賀では「かけ和え」と呼び、秋祭りには脂ののったサバを使うこともあるという。