麺 ── うどん
きつねうどん
Kitsune Udon
大阪の船場で生まれたとされる、甘辛く煮た油揚げをうどんにのせる一杯という。真昆布と雑節のだしに、太すぎずもっちりとした麺を合わせる大阪うどんの型として親しまれている。
- 発祥: 大阪府大阪市
- 東京から西へ約400km
大阪府大阪市
何でできているか
主材料はうどんと甘辛く煮含めた油揚げである。だしは真昆布と雑節を主に使い、青ねぎ・かまぼこ・柚子を薬味に添える。麺は太すぎずもっちりとした食感が身上とされ、澄んだだしによく馴染むよう仕立てられているという。甘辛い油揚げの汁がだしに溶け出し、丼全体をまろやかにするとされ、見た目以上に奥行きのある滋味豊かな味に仕上がるという。
どう作るのか
真昆布と雑節でだしを取り、砂糖・塩などで丁寧に味を整える。油揚げは別のだしでじっくり時間をかけて甘辛く煮含めておく。茹でたうどんにだしをかけ、煮含めた油揚げと薬味をのせて仕上げる。油揚げとだしをそれぞれ別の鍋で丁寧に仕込む手間が特徴とされ、薬味の柚子が香りを引き締め、店ごとに煮汁の甘さの加減が微妙に違うという。
なぜこの形になったのか
明治26年、船場のうどん店「松葉家」で、客が素うどんに油揚げをのせて食べたのが始まりと伝わる。油揚げが女狐の好物とされる俗信から「きつね」の名がついたという。大阪では「きつね」はうどん、油揚げをのせたそばは「たぬき」と呼び分けられ、今も大阪の食堂で定番の一杯として世代を超えて広く親しまれ続け、旅行者にも根強い人気の味だという評判が今も絶えることなくずっと続いている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
使われる
同じ大阪府
- あかねこ蒸したもち米と小麦粉をついた餅に砂糖ときな粉をまぶす「半夏生もち」。田植えを終えた感謝と豊作祈願で食べられ、皮ごと挽いた小麦粉で餅が褐色になり、猫の丸い背中に似ることから名がついたと伝わる。
- バッテラ薄切りの〆鯖と白板昆布を木枠で押し固める箱寿司。南船場の「寿司常」が明治24年に考案し、当初使ったコノシロの寿司の形が小舟に似ていたことからポルトガル語で小舟を意味する名がついたと伝わる。
- 紅しょうが天梅酢に漬けた紅しょうがの薄切りに衣をつけて揚げる天ぷら。梅酢の酸味としょうがの辛みが酒によく合い、昭和15年発表の織田作之助『夫婦善哉』にも一銭天ぷらとして登場するほど古くからの大阪庶民の味という。
- 紅ずいきと油揚げの炊いたん背丈2mにもなる赤褐色のずいき「紅ずいき」を酢水でアク抜きし、油揚げと出汁・醤油で煮含める夏のおばんざい。スポンジ状の断面が味をよく含み、大阪府の「なにわ特産品」にも選ばれているという。
- どて焼き下茹でした牛すじを、鍋のふちに土手のように盛った味噌とみりんで長時間煮込む。甘辛く濃厚な味わいが酒によく合い、新世界エリアに提供店が多い大阪の下町グルメとして親しまれているという。
- 恵方巻き節分の日、その年の縁起の良い方角「恵方」を向いて無言で丸かぶりする太巻き寿司。起源は定かでないが、花街の遊びや大阪・船場の商家が商売繁盛を願っておこなったなど諸説が伝わっている。