甘味
柏餅
Kashiwa Mochi
上新粉と白玉粉の餅であんを包み、蒸す端午の節句の菓子。全国的にはかしわの葉で包むが、山口ではサルトリイバラの葉を使い、「ほてんどもち」など地域ごとの呼び名も多く残ると伝わる。
- 発祥: 山口県
- 東京から西へ約770km
何でできているか
上新粉と白玉粉で作ったきめ細かい餅であんを包み、サルトリイバラの葉で挟んで蒸す端午の節句の菓子になっている。全国的にはかしわの葉で包むことが多いが、山口県では山野に自生するサルトリイバラの葉を用い、もちもちとした餅の食感に葉のほのかな香りが移る。地域によって「ほてんどもち」「いぎの葉もち」など呼び名も多く残っているという。
どう作るのか
米粉を水または熱湯でこね、生地を1つ分ずつ取り分けて軽く延ばす。丸くまとめたあんを生地の間にはさみ込み、サルトリイバラの葉で挟んでから蒸し上げる。あんには小豆あんのほか味噌あんを使うこともあり、家庭ごとの配合が今に伝わっている。端午の節句のほか田植えやお盆の行事の際にも各家庭で作られ、できたものを隣近所に配ることもあったと伝わる。
なぜこの形になったのか
サルトリイバラは新芽が出るまで古い葉が落ちない木で、「家系が絶えない」という縁起を担いで江戸時代から使われるようになったとされる。手作業の田植えは重労働で、柏餅が食べられることが数少ない楽しみのひとつだったと言われ、葉を山に採りに行くのは子どもの役目だったという。季節の行事や日々の労働と結びついた菓子として、家庭ごとに作り継がれてきたとみられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ山口県
- チキンチキンごぼう一口大の鶏の唐揚げと素揚げごぼうを甘辛いたれで絡める学校給食発の一皿。1995年ごろ、家庭のレシピを募って栄養教諭が考案したとされ、口ずさみやすい名前とともに県民食として広まったと伝わる。
- ちしゃなます下関の伝統野菜「かきちしゃ」をちぎり、酢みそやほぐした焼き魚、しらすであえる料理。関ヶ原の戦い後、困窮した毛利の人々が考案したと伝わり、「ちしゃもみ」の名でも親しまれている。
- 長州黒かしわ山口・島根両県原産で国の天然記念物とされる黒柏鶏の血を生かして山口県の試験場が開発した地鶏をもとに、養鶏場が仕上げて名付けたとされる。80〜100日ほど平飼いで育てられるという。
- ふぐの唐揚げしょうゆや酒で下味をつけたふぐを片栗粉で揚げる下関・萩の家庭料理。刺身や鍋には高級なトラフグが使われる一方、唐揚げには安価なシロサバフグが使われることが多いと伝わる。
- ふく刺し透けるほど薄く切ったふぐの刺身を菊の花のように盛り付ける下関の一皿。福を呼ぶ意味で「ふぐ」を「ふく」と呼び、ポン酢と薬味で食す。明治21年、下関でのみふぐ食が解禁されたのが始まりと伝わる。
- ごぼう巻きかまぼこ作りで残るエソの皮をごぼうに巻きつけ、たれにつけて焼く萩の一品。焼き抜きかまぼこの高級魚エソを使うため、水産加工会社がかまぼこと一緒に作ることが多く、祭りや花見の弁当に欠かせないと伝わる。