甘味
初午だんご
Hatsuuma Dango
米粉を蒸して繭のかたちに丸めただんごを、2月最初の午の日に供える岐阜県内の養蚕地域の風習。繭が上質に多く育つよう願いを込めたとされ、白川村ではきなこや醤油、汁物に入れるなど地域によって食べ方が異なるという。
- 発祥: 岐阜県
- 東京から西へ約270km
何でできているか
米粉を練って繭のような形に整えて蒸した団子で、噛むともちっとした米粉の弾力の奥にほのかな甘みが感じられるという。きな粉をまぶしたり焼いて醤油をつけたりと、シンプルな生地だからこそ食べ方に幅が出ると伝わる。そうした細かな違いも含めて、今も家庭ごとに受け継がれている味だという。こうした持ち味は、地域や家庭によって少しずつ表情を変えるとも伝わる。
どう作るのか
米粉を耳たぶくらいの硬さになるまで練り、一口大の繭のような形に整えて蒸すという。きな粉をまぶす、焼いて醤油をつける、すまし汁やぜんざいに入れるなど地域によって食べ方はさまざまで、きびやそば粉を使う地域もあると伝わる。こうした工程は今も大きく変わらず、代々そのまま受け継がれているそうだ。つくり方の細部は地域差があり、それぞれの土地の流儀が息づいていると伝わる。
なぜこの形になったのか
自給自足の暮らしの中で貴重な現金収入源だった養蚕が盛んだった地域では、二月の初午の日に、繭が上質で多く採れるよう願って繭の形の団子を神様に供えたのが始まりとされる。白川村では豊蚕を願う祭りとともに、この団子を供える習わしが根づいたという。そうした背景が、この料理を今に伝える支えになってきたとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ岐阜県
- 赤だつの酢ぶて里芋の赤紫色をした葉柄「赤だつ」の筋を取り、塩もみしてから合わせ酢で和える山県市の一品。石灰質のやせた土壌が芋の栽培に適した土地に伝わり、産後の体力回復を願って食べさせたとも言われている。
- 鮎なれずし秋に川を下る子持ちの落ち鮎を塩漬けし、炊きたてのご飯を腹に詰めて桶で2ヶ月ほど乳酸発酵させる岐阜市のなれずし。長良川鵜飼で獲れた鮎を使った鮎鮓は江戸期に将軍家へ献上されたと伝わるという。
- 鮎ぞうすい香ばしく素焼きにした鮎を、ほぐしながらだし汁とご飯でさっと煮た岐阜県の川魚料理。漁で傷がつき市場に出しにくくなった鮎をおいしく食べる工夫が始まりとされ、鮎料理を出す食事処で締めの一品として供されることが多いという。
- 鮒味噌素焼きにした鮒を戻した大豆と時間をかけて煮て、豆味噌とざらめで仕上げる西濃地域の川魚料理。旨味の強い豆味噌が鮒特有の臭みを和らげるとされ、身がほろほろになるまで煮込んで冬の保存食とするという。
- 鮎の塩焼鮎全体に塩をふり、ひれと尾に化粧塩をして炭火で両面を焼く岐阜県の鮎料理。1300年の歴史を持つ長良川鵜飼や、川をせき止めて魚を追い込む伝統漁法「ヤナ」で獲れた新鮮な鮎を使うのが特徴という。
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