ごはんもの ── 寿司
ねずし
Nezushi
塩マスとだいこん、にんじんに麹を加えたご飯を混ぜ、半月から20日ほど寝かせて発酵させる飛騨地域のなれずし。「ねずしがないと正月が来た気がしない」といわれるほど、正月に欠かせない味だという。
- 発祥: 岐阜県
- 東京から西へ約230km
何でできているか
麹を混ぜたご飯に塩マスや大根、人参を合わせて二十日ほど寝かせて発酵させたなれずしで、噛むと発酵ずし特有の風味の中に甘酸っぱさが感じられ、ほかの発酵ずしに比べてまろやかで食べやすいという。「寝かせてつくる」という意味の漢字があてられるほど、時間が味をつくり出すと伝わっている。そうした細かな違いも含めて、今も家庭ごとに受け継がれている味だという。
どう作るのか
骨を取り小口切りにした塩マスと、塩でもんだ大根や人参を、麹を混ぜた少し冷ましたご飯とすべて混ぜ合わせ、二週間から二十日ほど漬け込んで発酵させるという。気温や材料によって発酵具合が変わるため、同じ人がつくっても毎回少しずつ味わいが違うのも楽しみで、マスの代わりに鯖を使う家庭もあると伝わっている。こうした工程は今も大きく変わらず、代々そのまま受け継がれているそうだ。
なぜこの形になったのか
冬の厳しい寒さで新鮮な野菜や食料が不足した飛騨地方では、漬ける、干す、発酵させるなど多彩な保存食文化が根づいたとされる。正月のごちそうとしてどの家庭でも欠かせない存在になり、「ねずしがないと正月が来た気がしない」と言われるほど、暮らしの節目に深く根づいてきたと伝わる。そうした背景が、この料理を今に伝える支えになってきたとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ岐阜県
- 赤だつの酢ぶて里芋の赤紫色をした葉柄「赤だつ」の筋を取り、塩もみしてから合わせ酢で和える山県市の一品。石灰質のやせた土壌が芋の栽培に適した土地に伝わり、産後の体力回復を願って食べさせたとも言われている。
- 鮎ぞうすい香ばしく素焼きにした鮎を、ほぐしながらだし汁とご飯でさっと煮た岐阜県の川魚料理。漁で傷がつき市場に出しにくくなった鮎をおいしく食べる工夫が始まりとされ、鮎料理を出す食事処で締めの一品として供されることが多いという。
- 鮒味噌素焼きにした鮒を戻した大豆と時間をかけて煮て、豆味噌とざらめで仕上げる西濃地域の川魚料理。旨味の強い豆味噌が鮒特有の臭みを和らげるとされ、身がほろほろになるまで煮込んで冬の保存食とするという。
- 鮎の塩焼鮎全体に塩をふり、ひれと尾に化粧塩をして炭火で両面を焼く岐阜県の鮎料理。1300年の歴史を持つ長良川鵜飼や、川をせき止めて魚を追い込む伝統漁法「ヤナ」で獲れた新鮮な鮎を使うのが特徴という。
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