麺 ── そば
山都そば
Yamato Soba
福島県喜多方市山都町に伝わる、つなぎを使わない十割そば。飯豊山からの伏流水と冷涼な気候がそば栽培に適し、昭和末期に地域おこしとしてブランド化された。
- 発祥: 福島県喜多方市山都町
- 東京から北へ約210km
福島県喜多方市山都町
何でできているか
やや白っぽく透き通った麺が、しこしこと弾む歯ごたえを返してくる。白いのは訳があり、山都では製粉歩留まりを7割以内に定めているため、そばの実の内層だけを挽いた白っぽい粉になる。内層の粉は粘りが少なく、本来ならつなぎが要るところを、ここでは小麦粉も山芋も一切使わない。粉と水だけの十割が、この土地の当たり前とされている。
どう作るのか
粘りの少ない白い粉をつなぎなしでまとめるのは職人でも難しいとされるが、山都では湯ごねと水ごねを併用するこね方で、ごく普通に打たれている。挽きたて・打ちたて・茹でたてで出すのが基本。実の保存にも土地の工夫があり、雪を利用した雪室で約5度・湿度7割に保って貯蔵すれば、夏を越えても収穫期に近い風味が残るとされる。
なぜこの形になったのか
飯豊連峰のふもと、標高400メートルほどの山あいは寒暖の差が激しく、良質なそばが育つ条件がそろっていた。米より麦よりそばが応えてくれる土地で、粉の質そのもので食べさせる十割が磨かれてきたと読める。大寒の頃に渓流へ実を浸し、寒風に20日晒してから挽く「寒晒しそば」は、江戸時代に将軍家へ献上されたと伝わる、この土地の寒さを味に変える技のひとつ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ福島県
- 会津ラーメン手打ちの平打ち太麺と、澄んだ醤油スープ。会津若松市の食堂が横浜で覚えた味を持ち帰ったのがはじまりとされる、喜多方とは別に育った会津地方のもう一つの中華そば。
- 会津カレー焼きそば福島県会津若松市で広まったソース焼きそばにカレーのルーをのせる一皿。食堂「トミーフード」が焼きそばにカレーをかけて出したのが始まりとされ、安さとボリュームで若者を中心に人気を集めたと伝わる。
- 会津牛会津盆地で育つ黒毛和種の去勢・雌牛。地元産の稲わらを中心とした飼料を与えられ、盆地特有の寒暖差の大きい気候が肥育に適するとされる、福島県を代表する銘柄。首都圏での引き合いも増えているという。
- 会津地鶏平家の落人が会津に持ち込んだと伝わる系統で、絶滅寸前だったところを福島県が保護し交配・改良を重ねて作出したとされる。90〜170日ほどかけて丁寧に肥育されるという。
- ソースカツ丼(会津)とろみのある甘辛ソースをたっぷりかけた会津のソースカツ丼。由来は複数説あり定まっていないが、大正期の洋食文化を土台に、会津の日常の中で磨かれてきたとされる郷土の味である。
- 会津山塩ラーメン温泉水から作る山塩を使った塩ラーメン。まろやかな塩気が特徴。