ごはんもの ── 丼物
ソースカツ丼(会津)
Aizu Sōsu Katsudon
とろみのある甘辛ソースをたっぷりかけた会津のソースカツ丼。由来は複数説あり定まっていないが、大正期の洋食文化を土台に、会津の日常の中で磨かれてきたとされる郷土の味である。
- 発祥: 福島県会津若松市
- 東京から北へ約200km
福島県会津若松市
系譜
何でできているか
揚げたてのとんかつに、とろみのついた甘辛いソースがたっぷりとかかる。福井のソースかつ丼よりソースの粘度が高く、衣にしっかり絡みつくため、一口目からソースの甘みと衣の香ばしさが同時に来る。刻みキャベツが丼の縁に添えられ、ソースを吸ったキャベツが箸休めの役割も兼ねる。とろみのある分、最後まで冷めにくいのもこの丼の特徴とされる。
どう作るのか
ロース肉を揚げ、丼に敷いたキャベツの上にのせて、とろみのあるソースをたっぷりとかける。ソースは店ごとに配合が異なり、とろみの強さが会津流の特徴とされる。卵は使わず、ソースと衣の一体感を保つために揚げたてを供する店が多いといい、ソースをかけるタイミングも味を左右するという。二度がけをして味を重ねる店もあると伝わる。
なぜこの形になったのか
由来ははっきりしないとされ、大正期のカフェ文化の中で洋食コックが賄いとして作った説、食堂主が東京から洋食コックを招いた説、戦後の物資不足期に生まれた説の三つが伝わる。いずれの説も、地元で洋食が「賄い」や「工夫」から生まれたという点で共通しており、会津の日常の中でかつ丼が磨かれてきたことをうかがわせる。大正時代から今日まで、会津の人々の食卓に自然に溶け込んできた一皿とされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ福島県
- 会津ラーメン手打ちの平打ち太麺と、澄んだ醤油スープ。会津若松市の食堂が横浜で覚えた味を持ち帰ったのがはじまりとされる、喜多方とは別に育った会津地方のもう一つの中華そば。
- 会津カレー焼きそば福島県会津若松市で広まったソース焼きそばにカレーのルーをのせる一皿。食堂「トミーフード」が焼きそばにカレーをかけて出したのが始まりとされ、安さとボリュームで若者を中心に人気を集めたと伝わる。
- 会津牛会津盆地で育つ黒毛和種の去勢・雌牛。地元産の稲わらを中心とした飼料を与えられ、盆地特有の寒暖差の大きい気候が肥育に適するとされる、福島県を代表する銘柄。首都圏での引き合いも増えているという。
- 会津地鶏平家の落人が会津に持ち込んだと伝わる系統で、絶滅寸前だったところを福島県が保護し交配・改良を重ねて作出したとされる。90〜170日ほどかけて丁寧に肥育されるという。
- 会津山塩ラーメン温泉水から作る山塩を使った塩ラーメン。まろやかな塩気が特徴。
- あんこうのとも和えあんこうの肝をフライパンで炒って味噌と砂糖を加えて練り、ゆでたあんこうの身と切り干し大根に絡める相馬の料理。もとは5月の田植えを手伝ってくれた人たちへのご馳走として振る舞われていたという。