麺 ── ラーメン
やまなし源水ラーメン
Yamanashi Gensui Ramen
山梨県内のラーメン店の団体が2023年に始めたとされる枠組みで、盆地の軟水をスープと麺の両方に使う。淡水魚と地鶏のWスープに県産食材を添えることが条件とされ、店ごとに違う一杯でも水という資源でつながる。
- 発祥: 山梨県甲府市
- 醤油・味噌・塩・豚骨以外
- 東京から西へ約110km
山梨県甲府市
系譜
何でできているか
盆地からわき出る軟水は、ほのかな甘みを持つとされる。その水をスープにも麺にも使い、淡水魚と地鶏を合わせたWスープに、県内で打たれた細麺を合わせる。仕上げには県産の食材を最低ひとつ添えるという決まりがあり、丼のどこかに必ず山梨の産地が顔を出す。水そのものの軽やかさが、スープ全体の後味を決めているという。丼を持ち上げたときの軽さも、この水の性格を映しているように感じられる。
どう作るのか
名水として知られる盆地由来の軟水をスープと製麺の両方に使い、淡水魚の煮干しと地鶏のガラを組み合わせた清湯スープに仕立てる。麺は県内製造の細めの番手を選び、淡麗なスープの輪郭を壊さないようにする。県産ブランド魚のあらを生かすなど、無駄を出さない工夫も条件に含まれており、水と食材の両方に土地の視点が通っている。
なぜこの形になったのか
山梨県のラーメン店でつくる団体が、県の食料自給率や環境への配慮といった課題と水産業・農業の振興を結びつけようと考え、県民の日にあわせてこの枠組みを立ち上げたとされる。水という土地の資源を軸に据えることで、店ごとに違う一杯でも山梨という一つの物語でつながるようにした試みと言える。店の数だけ具材の組み合わせがあっても、水という一点だけは揺らがない。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山梨県
- あけぼの大豆の枝豆通常の1.6倍という大粒の「あけぼの大豆」を塩ゆでにする身延町曙地域の枝豆。明治から続く在来種だが機械化になじまず生産者の高齢化で希少となり、「幻の大豆」とも呼ばれてきたと伝わる。
- 甘納豆のお赤飯ささげや小豆を使わず、食紅で赤く色づけたもち米に甘納豆を混ぜ込む山梨の赤飯。ごま塩をかけると甘じょっぱく、祝いの席に欠かせないとされる。同様の甘い赤飯は遠く離れた北海道や東北の一部にもあると伝わる。
- あんびんさつまいも粉と小麦粉を熱湯でこね、あんを包んで叩いて平らにし蒸す峡南地域の菓子。あんを叩き入れる仕草が名前の由来とされ、廃校を機に地元が復活させた市川三郷町六郷の伝統食と伝わる。
- あわびの煮貝駿河湾でとれたアワビを醤油に漬けて樽で運び、馬の体温に揺られるうちに味がしみ込んだという甲州の名産。薄切りにして肝と盛り合わせ、しそやきゅうりを添えて食べると伝わる、海のない山梨に残る海の幸。
- 小豆ほうとう太めに切ったほうとう麺を、餅の代わりに小豆の汁粉に入れて煮る山梨の行事食。北杜市須玉町若神子の三輪神社の夏祭りは「ほうとう祭り」と呼ばれるほどで、赤い小豆の色が厄除けになるとされる。