麺 ── ラーメン
東毛手延べラーメン
Tomo Tenobe Ramen
群馬県東部・東毛地域に伝わる、そうめんのように手で延ばして作る中華麺のラーメン。太田市の一軒が元祖とされ、コシの強さより喉ごしのよさを追う麺と、のっぺりとしたあっさり醤油スープが組み合わさる。
- 発祥: 群馬県太田市
- 醤油
- 東京から北西へ約80km
群馬県太田市
何でできているか
麺は手延べ製法による平打ちの中太麺で、いわゆるコシの強さはほとんど感じない。その代わりに喉ごしがよく、にゅるんとした独特の口当たりが残る。すすった瞬間に感じるのは弾力ではなく、なめらかに喉を滑り落ちていく感覚で、噛むというより飲むに近い食べ方を誘う麺だという。スープは一世代前を思わせるのっぺりとしたあっさり醤油味で、生姜がきいている。麺の存在感がまず先に来て、スープはそれを受け止める役に回るような一杯になっている。
どう作るのか
生地を手で左右に引きながら延ばしていく製法は、機械で切り出す中華麺とは仕込みの手間がまるで違う。太さや厚みが職人の手加減で決まるため、店ごとに口当たりの差が出やすい。一玉を延ばすのに要する時間は機械打ちの比ではなく、天候や生地の状態を見ながら力加減を変える必要があるという。かつては弟子が独立して店を構える形で広がったとされるが、職人の高齢化とともに担い手は減り、今も手延べを続ける店はわずかになっている。
なぜこの形になったのか
一説によると、群馬県東部の東毛地域では、太田市・桐生市・館林市にまたがる形で手延べ麺を使う地ラーメンが根づいていたという。太田市の一軒が元祖と言われ、そこから技術を受け継いだ店が周辺に広がったと伝わる。機械化が進んだ戦後の製麺業の中で、あえて手作業を選び続けた店の系譜が、東毛という土地の一角に残った例といえる。同じ群馬県内でも西部の藤岡ラーメンとは別の系譜として、手作業の製麺だけが今に残っている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ群馬県
- あまねじ甘く煮た小豆汁に、水で練った小麦粉の団子を落として煮込むおやつ。渋川市で主に食べられ、川場村では「あまだんご」と呼ぶ。農作業の合間にとる小昼飯の甘味として親しまれてきた。
- 鮎塩焼き群馬県魚の鮎を、生きたまま串にジグザグに刺して塩をふり、炭火で焼き上げたシンプルな一品。神流川の鮎は香り高く身が締まり、6月の解禁とともに県内外から食通が訪れる。
- 呉汁すりつぶした大豆の「呉」を、旬の野菜と一緒に味噌汁に加えて煮込む一品。大豆の産地・群馬で新豆の採れる秋から冬にかけて作られ、体を芯から温める栄養食として親しまれてきた。
- かて飯米に麦や豆、大根などの「かて」を加えて炊いたご飯。米不足の時代のかさ増し料理が起源で、現在は五目ご飯として親しまれる。学業成就を願う天神講の日に供されることが多い。
- ソースカツ丼鰻のたれにウスターソースを合わせたオリジナルソースにくぐらせた豚ヒレカツを、ご飯にのせた丼。織物業の街・桐生市で出前のごちそうとして広まり、県内各地に定着した。