麺
半田そうめん
Handa Somen
藩政時代、川船の船頭たちが三輪(奈良県)から淡路・鳴門を経て半田にそうめんの技法を伝えたとされる。自分たちで手早く作れるよう手間を省いたことが、一般的なそうめんより太くコシの強い麺になった理由と伝わる。剣山系から吹き下ろす乾いた風と吉野川の澄んだ水が、麺作りに適した環境を作っている。
- 発祥: 徳島県つるぎ町
- 東京から西へ約550km
徳島県つるぎ町
系譜
何でできているか
一般的な素麺より太く、コシの強い手延べ麺。細さを競う三輪や播州のそうめんとは対照的に、しっかりとした噛みごたえともちもちとした食感が持ち味になっている。茹で上がりも白くふっくらとしており、汁を吸っても伸びにくい丈夫さがある。温かいにゅうめんにしても存在感が消えない、力強い麺で、噛むたびに小麦の甘みが返ってくる。
どう作るのか
川船の船頭たちが自分たちで手早く仕上げられるよう、工程を簡略化して作ったことが、標準より太い麺になった理由と伝わる。剣山系から吹き下ろす乾いた風と吉野川の澄んだ水にさらしながら生地を延ばし、天日で乾燥させて仕上げる。細く延ばす手間を省いた分、太さと弾力が前面に出た麺になっている。手延べでありながら太さは饂飩に近く、茹で時間も他の素麺より長くとる。
なぜこの形になったのか
藩政時代、川船の船頭たちが三輪(奈良県)から淡路・鳴門を経て半田にそうめんの技法を伝えたとされる。剣山系から吹き下ろす乾いた風と吉野川の澄んだ水という土地の条件が、素麺作りに適した環境をこの地に作り、船を操る合間の限られた手間で作れる、太く力強い麺という独自の型を育てたと読める。細さより丈夫さを取った麺は、船上の暮らしの実利を映しているとも言える。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。