惣菜
ずきがし
Zukigashi
里芋の一種ヤツガシラの葉柄「ずいき」をゆでて、砂糖や醤油、柚子酢を合わせた酢で和える。ゆでると黒ずむずいきが酢に触れて鮮やかな赤に変わり、しゃきしゃきとした食感を楽しむ一品という。
- 発祥: 徳島県
- 東京から西へ約510km
系譜
ずきがしならえ
何でできているか
里芋の一種、ヤツガシラの葉柄にあたる「ずいき」を、ゆでてから合わせ酢で和えた一品。生のずいきは薄紫色をしているが、ゆでると一度黒っぽく変わり、酢で和えると鮮やかな赤色に変化するのが特徴で、食卓を彩る料理として親しまれてきたという。ほどよくゆでるとしゃきしゃきとした歯ごたえが残り、砂糖やしょうゆ、徳島特産のゆずを使った柚子酢を合わせた甘酸っぱい味わいになる。
どう作るのか
ずいきは皮をむいて5cmほどに切り、酢水に浸けてあくを抜いてからゆでる。油抜きして細切りにした油揚げと合わせ、砂糖やしょうゆ、柚子酢などで作った合わせ酢で和える。ゆでずに炒めてから使う家庭や、干しずいきを戻して使う家庭もあるという。ずいきに触れると手がかゆくなることがあるため、あらかじめ酢で手を濡らしてから調理するのがコツとされる。
なぜこの形になったのか
ずきがしが食卓に並ぶようになったのは、砂糖が一般家庭でも使いやすくなってからとされる。芋の収穫前にあたる夏場によく食べられていたといい、里芋を育てる過程で出るずいきを余さず使い切る知恵から生まれた料理と考えられる。すだちの皮をすりおろして風味を添える家庭もあったといい、旬の柑橘とともに夏らしいさっぱりとした一皿として親しまれてきたようだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。