惣菜
ならえ
Narae
大根、にんじん、油揚げなど7つの食材を三杯酢で和える精進料理由来の一品。もとは奈良漬けが加わっていたことから「奈良和え」と呼んだのがなまったとされ、法事や彼岸に供されてきたという。
- 発祥: 徳島県
- 東京から西へ約510km
系譜
ならえずきがし
何でできているか
大根、にんじん、油揚げ、ごま、れんこん、干ししいたけ、こんにゃくなど七つの食材を三杯酢で和えた、さっぱりとした一皿。白ごまの香ばしさと酢の酸味、根菜の食感が重なり合い、甘い酢の味わいは子どもにも好まれたと伝わる。名前の由来は「七つの食材を使うから」とも、かつて具材に加えられていた野菜の粕漬け「奈良漬け」を「奈良和え」と呼んだことに由来するともいわれ、はっきりしないという。
どう作るのか
野菜と油揚げを食べやすい大きさに切り、干ししいたけの戻し汁でやわらかく煮る。水気を切ったら、白ごま、酢、柚子酢、砂糖、しょうゆで作った合わせ酢に入れ、しばらくなじませて味をしみ込ませる。家庭では七つの食材にこだわらず、たけのこやきゅうり、みょうが、三つ葉、豆腐、昆布など、そのとき手元にある旬の野菜を使うのが一般的だという。
なぜこの形になったのか
ならえは大化の改新の頃に食べられていた精進料理の一つだったと伝わり、法事や彼岸など仏事の席で供されてきた。肉や魚を使わず野菜と乾物だけで作れる精進料理としての性格が、仏事に結びついた理由のようだ。美馬町では祝い事の際に味噌汁やお平、白和えなどとともに供する風習もあったとされ、甘い酢の味は甘味の乏しかった時代、子どもたちの楽しみでもあったという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。