惣菜
しもつかれ/シモツカレ
Shimotsukare
正月に残った塩鮭の頭と節分の炒り大豆を、大根や人参とともに鬼おろしで粗くすりおろし、酒粕でじっくり煮込む冬の料理。初午にお稲荷様へ供え、七軒分を食べると病気をしないと伝わる。
- 発祥: 栃木県
- 東京から北へ約100km
系譜
しもつかれ/シモツカレしもつかれ/すみつかれ
何でできているか
正月に残った塩引き鮭の頭と節分の炒り大豆に、鬼おろしで粗くすりおろした大根と人参、油揚げを合わせ、酒粕でじっくり煮込んだ栃木を代表する冬の郷土料理とされる。だいこんの粗い食感と鮭の身、酒粕のコクが溶け合い、家庭や地域によって具材の組み合わせが少しずつ異なり、七軒分食べると病気にならないという言い伝えも残る。
どう作るのか
塩引き鮭の頭はよく洗って一度ゆでこぼし、臭みを取ってから圧力鍋でやわらかく煮る。鬼おろしでおろした大根と人参、皮を除いた炒り大豆、焼いて細切りにした油揚げとともに厚手の鍋に入れ、はじめは強火、ぐつぐつしてきたら弱火にして1時間ほど煮込む。味がなじんだら小さくちぎってふやかした酒粕を加え、醤油や塩で味を調える。
なぜこの形になったのか
初午の頃は野菜が端境期で食材の調達が難しく、残り物でつくるこの料理は本来神様への供え物にふさわしくないとされ、初午以外につくることを避ける禁忌があったと伝わる。そのため「変わりもの」として稲荷神社への特別な供物へと転じ、正月と節分の残り物を無駄にしない先人の知恵として、この地に定着したと考えられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ栃木県
- 揚げまき湯波の煮物生ゆばを重ねて棒状に巻き、輪切りにして油で揚げた「揚げまき湯波」を、薄味でじっくり煮た日光の郷土料理。表面が波打つ日光ゆばの技法を生かし、正月や祝いの席にも欠かせない。
- あいその甘露煮那珂川や鬼怒川で春の産卵期に群れるウグイを、あいそと呼び、弱火で長時間かけて骨まで柔らかく甘露煮にする。冷蔵庫が普及する前、川魚が貴重なたんぱく源だった内陸県の料理。
- 鮎めし那珂川など鮎の獲れる川筋で、素焼きにした鮎を米と一緒に炊き込む混ぜごはん。祭りや農作業の休みなど特別な日につくられ、余った鮎は串に刺して囲炉裏端に吊るし保存したという。
- 板台餅/ばんだい餅日光市栗山地区に伝わる、うるち米を硬めに炊いてつく餅。山小屋の板の上で斧の峰などで叩いてついたことから「板台餅」と呼ばれ、味噌だれやあんこ、じゅうねなど地域ごとの食べ方が残る。
- ばっとう汁・だんご汁(すいとん)季節の野菜を煮た味噌汁に、練った小麦粉を手でちぎり入れただんご汁。地域によって「はっとう汁」「だんご汁」と呼び名が変わり、米が足りない時の日常食として親しまれてきた。
- ちたけとなすの油炒め裂くと乳白色の汁が出るきのこ・ちたけを、なすとともに油で炒めた料理。里山の管理とともに8月ごろだけとれる希少なきのこで、うどんやそばのだしにも使われる栃木ならではの味覚。