惣菜
煮しめ
Nishime
さといもを主役に、大根や人参、ごぼう、しいたけ、こんにゃくを醤油でじっくり煮含めた料理。親芋のまわりに子芋が育つさといもの姿から子孫繁栄の縁起物とされ、正月や冠婚葬祭に欠かせない。
- 発祥: 栃木県
- 東京から北へ約100km
何でできているか
さといも・だいこん・にんじん・ごぼう・しいたけ・こんにゃくなどを、醤油味でじっくり味がしみるまで煮付けた煮物とされる。親芋を囲んで子芋、孫芋が育つさといもは子孫繁栄の象徴とされ、縁起のよい具材が主役となることから、正月のおせち料理や祭り、冠婚葬祭に欠かせない一皿とされている。つくり手の工夫が加わりながら、いまに引き継がれている一品とされる。
どう作るのか
しいたけは軸を取って半分にそぎ切り、だいこんは半月切り、さといも・にんじん・ごぼうは乱切り、こんにゃくは短冊切りにして、それぞれゆでこぼす。鍋に材料と調味料を入れ、ゆっくりかき混ぜながら煮含める。ごぼうは特に柔らかくなるまでゆでると、味がしみこみやすくなる。土地の恵みを無駄にしない、暮らしの知恵が息づく料理とされる。
なぜこの形になったのか
さといもは縄文時代に伝わって以来、火山灰台地や砂礫地でも育つことから栃木の広い地域で栽培されてきた食材とされる。子孫繁栄を思わせる育ち方から縁起物とされ、神社の祭礼や正月、冠婚葬祭など人が集まる場面で振る舞われてきたことから、家庭ごとに親から子へと味が受け継がれてきたとされる。年月を経てもなお、変わらず食卓に上る郷土の味とされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ栃木県
- 揚げまき湯波の煮物生ゆばを重ねて棒状に巻き、輪切りにして油で揚げた「揚げまき湯波」を、薄味でじっくり煮た日光の郷土料理。表面が波打つ日光ゆばの技法を生かし、正月や祝いの席にも欠かせない。
- あいその甘露煮那珂川や鬼怒川で春の産卵期に群れるウグイを、あいそと呼び、弱火で長時間かけて骨まで柔らかく甘露煮にする。冷蔵庫が普及する前、川魚が貴重なたんぱく源だった内陸県の料理。
- 鮎めし那珂川など鮎の獲れる川筋で、素焼きにした鮎を米と一緒に炊き込む混ぜごはん。祭りや農作業の休みなど特別な日につくられ、余った鮎は串に刺して囲炉裏端に吊るし保存したという。
- 板台餅/ばんだい餅日光市栗山地区に伝わる、うるち米を硬めに炊いてつく餅。山小屋の板の上で斧の峰などで叩いてついたことから「板台餅」と呼ばれ、味噌だれやあんこ、じゅうねなど地域ごとの食べ方が残る。
- ばっとう汁・だんご汁(すいとん)季節の野菜を煮た味噌汁に、練った小麦粉を手でちぎり入れただんご汁。地域によって「はっとう汁」「だんご汁」と呼び名が変わり、米が足りない時の日常食として親しまれてきた。
- ちたけとなすの油炒め裂くと乳白色の汁が出るきのこ・ちたけを、なすとともに油で炒めた料理。里山の管理とともに8月ごろだけとれる希少なきのこで、うどんやそばのだしにも使われる栃木ならではの味覚。