惣菜
いとこ煮
Itokoni
親鸞聖人の好物とされる小豆を、ごぼうや大根、里芋などの根菜とともに煮る。報恩講で作られる一品とされ、県東部では「にざい」と呼ばれ具材を大きめに切るなど地域差がある。
- 発祥: 富山県
- 東京から北西へ約260km
系譜
いとこ煮いとこ汁
何でできているか
小豆とごぼう、大根、にんじん、里芋などの根菜をやわらかく煮込んだ煮物。小豆のほっくりとした甘みと根菜の滋味深い味わいが溶け合い、具材ごとに異なる歯ごたえが楽しめる。味噌や醤油で仕立てられ、じっくり煮込むことで根菜の角がとれ、体の芯から温まるような優しい味わいになるとされ、寒い季節にふさわしい一皿となる。
どう作るのか
小豆をやわらかく煮ておく。大根、にんじん、里芋、ごぼうは皮をむきさいの目に切り、ごぼうは水にさらしてあくを抜く。油揚げとこんにゃくは湯通ししてさいの目に切る。鍋に野菜と油揚げ、こんにゃく、水を加えて煮込み、やわらかくなったら小豆を加えて調味料で味を整え、煮崩れないよう煮すぎずに仕上げるのがこつだという。
なぜこの形になったのか
浄土真宗の開祖の命日に営まれる大切な法要の際、供される料理のひとつとして根づいたとされる。似た大きさに切りそろえた根菜が並ぶ様子や、硬いものから順に煮てゆく調理の順序に由来があるといわれ、寒い季節に収穫される根菜と小豆を無駄なく使い切ろうとする、行事にまつわる家庭の知恵がこの形を作ったと伝わっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ富山県
- ばいの煮もの富山湾の深海にすむ巻貝バイを、殻ごと出汁で煮る。「めでたいことが倍になる」という語呂から祝いの席に登場するとされ、小ぶりなツバイは煮物、大ぶりなものは刺身で食べ分けられる。
- べっこう煮溶かした寒天に醤油とみりんで味をつけ、卵を糸を引くように流し込んで固める。あめ色に卵がむら雲のように散る見た目が鼈甲のかんざしに似ることが名の由来とされ、県西部では「ゆべし」とも呼ぶ。
- ぶりしゃぶ薄くそぎ切りにしたブリを昆布だしにさっとくぐらせて食べる。表面だけ火が入り中はレアな状態になるとされ、氷見漁港で揚がる「ひみ寒ぶり」を使ったものは特に贅沢な冬のご馳走とされる。
- げんげの味噌汁ゼラチン質に覆われた深海魚ゲンゲを、ぶつ切りにして味噌汁にする。甘エビ漁に混じって揚がる厄介者として扱われてきたが、身の美味しさが見直され漁村の外にも広まってきたとされる。
- 氷見うどん富山県氷見市で江戸時代中期、輪島の素麺の技法を取り入れて作られ始めた手延べうどん。加賀藩への献上品でもあった。
- 報恩講料理親鸞聖人の命日に営む報恩講の膳に並ぶ料理の総称で、その年よく出来た野菜や山菜を普段用とは別にとっておく習わしがあるとされる。信仰の篤い南砺市の五箇山地区では、干し山菜や五箇山豆腐などで具だくさんの煮物が作られる。