発酵・保存
おなめ
Oname
麦こうじと大豆で作る発酵食品で、冷蔵すれば半年ほど日持ちする常備菜。秩父地域を中心に伝わり、塩漬けのなすやしいたけを混ぜ込んで、夏の食欲がない時期にも食が進む。
- 発祥: 埼玉県秩父市
- 東京から北西へ約70km
埼玉県秩父市
何でできているか
麦こうじと大豆を発酵させた、塩気の強い発酵食品とされる。ねっとりとした食感の中にこうじの香ばしさと発酵ならではの旨みが凝縮され、ご飯が進む濃厚な味わいだという。少量でもしっかりとした満足感があるという。発酵の進み具合によって塩気や旨みの強さが変わり、好みの熟成度合いがあると伝わる。できたてよりも数日置いた方が味がなじむとされている。
どう作るのか
塩と砂糖、水を煮立てて人肌ほどに冷まし、麦こうじと大豆で仕込んだ発酵の素を加えて保存容器で発酵させる。毎日かき混ぜれば1〜2週間ほどで仕上がるが、かき混ぜずに作るときれいに仕上がると伝わる。季節の食材を加えて風味を変えることもあるという。容器は清潔なものを使い、雑菌が入らないよう気を配ることが大切とされている。
なぜこの形になったのか
冷蔵庫で半年以上日持ちすることから保存食として重宝され、農家の繁忙期や食欲の落ちる夏場に食欲を後押しする常備菜として親しまれてきたという。季節ごとにふきのとうやみょうがを加えるなど、家庭ごとの工夫が受け継がれてきたと伝わる。手作りの発酵の素を使う家庭もある。自家製の発酵の素を代々受け継ぐ家庭もあり、その家ならではの味が育まれてきたという。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ埼玉県
- 酒粕味噌ラーメン上尾市の老舗酒蔵が造る酒粕を、地元の中華料理店の味噌スープに溶かし込んだ冬季限定のラーメン。酒粕のコクと風味が味噌のうまみに重なり、寒い時期に体を温めるまろやかな後味を残す。
- どじょう煮荒川や利根川の恵みを受ける埼玉東部で、田んぼで捕れたどじょうをささがきごぼうと甘辛く煮付けた一品。栄養豊富で滋養強壮によいとされ、妊婦の栄養源としても重んじられてきた。
- 行田フライ埼玉県行田市周辺に伝わる「フライ」は、揚げ物ではなく焼き物。水で溶いた小麦粉の生地にネギや豚肉をのせて鉄板で焼く、お好み焼きに似た軽食で、足袋工場で働く女工に広まったとされる。
- 東松山やきとり豚のカシラ肉を炭火で焼き、辛味噌だれを付けて食べる。
- 冷や汁すり鉢でごまと味噌をすり、きゅうりや大葉などの夏野菜と冷水を合わせたつけ汁。うどん文化が根づく埼玉ではうどんのつけ汁として重宝され、川島町では「すったて」と呼ぶ。
- いがまんじゅうあんこ入りの田舎まんじゅうを赤飯でくるんで蒸した、鴻巣市発祥とされるハレの日の菓子。栗のイガのような見た目が名の由来で、甘じょっぱさともちもちした食感が持ち味。