発酵・保存
のうさば
Nosaba
ホシザメを開いて数週間天日干しにし、正月前に調味液へ漬け込む。数の子が手に入らなかった頃の代用品ともいわれ、鐘崎地域では「鐘崎数の子」の別名で正月のおせちに欠かせないという。
- 発祥: 福岡県宗像市
- 東京から西へ約870km
福岡県宗像市
何でできているか
ホシザメを天日干しにし、調味料液に漬けた一品。福岡ではホシザメを「のうさば」と呼び、背中の星のような白い斑点が特徴で、サメの中では比較的クセのない味とされる。天然トラフグの水揚げ港として知られる地域で親しまれてきたという。「のう」は漁具、「さば」はサメを指す言葉が訛ったものと伝わり、地元では正月に欠かせないという。
どう作るのか
内臓を取り除いたホシザメを紐で吊るし、乾いた冷たい風に数週間当てて干す。食べる前に湯で身を柔らかくし、金属たわしで皮をこすってから、調味料を合わせた液に漬け込む。漬け込む時間や調味の加減は家庭の好みによってさまざまだという。皮の感触がなめらかになったら食べやすく切り分けるとされる。乾燥させることで保存性が高まるという。
なぜこの形になったのか
正月のおせちに使う数の子が手に入らなかった際、代わりに数の子用の調味液に漬けて食べたことから、別名でも呼ばれてきたと伝わる。フグを水揚げする網に一緒にかかることから食されるようになったという。年末の仕込みに向け、海岸沿いで天日干しの様子が見られるのは冬の風物詩とされ、大晦日までに漬けておく家庭が多いそうだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ福岡県
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- べたもち小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。