ごはんもの ── 丼物
ソースカツ丼(駒ヶ根)
Komagane Sōsu Katsudon
千切りキャベツの上に秘伝ソースをくぐらせたとんかつをのせる駒ヶ根の丼。昭和初期、喜楽の初代店主が当時流行り始めた洋食を見てソースかつ丼を考案したと地元で語り継がれている。
- 発祥: 長野県駒ヶ根市
- 東京から西へ約160km
長野県駒ヶ根市
系譜
ソースカツ丼(駒ヶ根)ソースカツ丼(会津)
何でできているか
千切りキャベツを敷いた飯の上に、秘伝のソースにくぐらせたとんかつをのせる。熱々のかつと冷たいキャベツの歯ざわりの対比が最初の一口の印象を決め、甘辛いソースがキャベツにも染みて、飯とかつを一体にまとめる。海苔や他の具材を一切のせない潔さも、この丼の見た目の特徴になっており、蓋の有無は店の裁量に委ねられている。
どう作るのか
ロース肉を規定の120グラム以上で揚げ、水気を切った千切りキャベツを丼の飯にのせてから、パン粉をつけて揚げたかつをソースにくぐらせて盛る。「駒ヶ根ソースかつ丼会」による規定では、器や具材の組み合わせ、揚げ油の管理方法まで細かく定められているとされ、加盟店ごとに味の基準を守りながら看板料理として提供している。
なぜこの形になったのか
地元の証言では、昭和3年(異説では11年)に「喜楽」の初代店主が、当時流行り始めた洋食を見てソースかつ丼を考案したという。この地域では今も「かつ丼」といえばソースをかけたものを指し、卵とじは特別に頼む必要があるとされ、ソースをかける形がこの土地の丼の基準として定着してきたことがうかがえる。平成5年には地元有志が会を発足させ、街おこしとして受け継いでおり、駒ヶ根を訪れる目的の一つに数えられるまでになっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ長野県
- 安養寺ラーメン信州味噌のルーツとされる安養寺味噌を主役に据えた、佐久の味噌ラーメン。
- 具だくさん味噌汁大根や人参、ごぼうなど旬の根菜をたっぷり入れて煮る長野の日常の汁物。具だくさんにすることで味噌の使用量を抑えられるとされ、小麦粉の生地を落とす「すいとん」を加えて主食代わりにすることもあるという。
- 半ごろしすりこぎで半つぶしにした「半ごろし」のもち米に、あんやきなこをまぶす東信地域のぼたもち・おはぎ。春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」と呼び分けるが同じもので、農作業の合間の手間のかからない祝い菓子という。
- ひたし豆青大豆を歯ごたえが残る程度にゆで、薄味のだし汁に浸す北信・東信地域の一品。馬の鞍のような模様をもつ「鞍掛豆」でもつくられ、数の子と合わせておせち料理にもなるという。
- 干しかぼちゃのえごま和え短冊切りにしたかぼちゃをからからになるまで天日に干し、水で戻してすったえごまで和える鬼無里地域の保存食。冬に腐りやすいかぼちゃを保存用に干す知恵から生まれ、煮物やおやきの具にも使われるという。
- ほう葉巻き熱湯でこねた米粉の生地であんを包み、朴の葉に包んで蒸す木曽地域の祝い餅。柏の木がない山あいでは代わりに朴の葉を使うようになったと伝わり、翌日の方が葉の香りが移って美味しいという。