ごはんもの ── 丼物
ソースカツ丼(福井)
Fukui Sōsu Katsudon
薄切りのとんかつをウスターソースにくぐらせ、白飯にのせた福井の丼。ドイツ仕込みのソースを大正期の東京で発表した料理人が福井に持ち帰り、店の味として受け継いできたとされる。
- 発祥: 福井県福井市
- 東京から西へ約320km
福井県福井市
系譜
ソースカツ丼(福井)ソースカツ丼(会津)
何でできているか
薄めのとんかつに、とろみのない醤油ベースのウスターソースをくぐらせただけの潔い一杯。卵とじの丼と違い、揚げたばかりの衣がソースを吸ってしっとりしつつも、噛むとまだ油の香ばしさが残る。飯は白飯のみで、ソースの酸味と甘みが直接伝わり、卵の膜を挟まない分だけ肉とソースの輪郭がはっきりと立つ。器を覆うほどの大きさに切られた肉が、見た目にも食べ応えを伝える。
どう作るのか
ロース肉を薄めに切って衣をつけて揚げ、熱いうちに専用の醤油ベースソースにくぐらせて飯にのせる。キャベツは添えず、ソースかつそのものの味を飯にまとわせるのが福井流とされる。揚げたてをすぐソースにくぐらせる速さが、衣のべたつきを防ぐ勘所とされ、ソースの温度を保つ工夫をする店もあるという。肉を薄めに切るのは、ソースを芯まで行き渡らせるためともいわれる。
なぜこの形になったのか
一説には、ドイツで料理修行をした高畠増太郎が、日本人向けに工夫したウスターソースを大正2年の東京の料理発表会で披露したのが始まりという。その後福井に戻り店の味として受け継がれたとされ、卵とじが後から全国に広まる前に、ソースをからめる形がまず先にあったという流れが福井の丼には残っている。飯とソースが直接触れる潔さが、この土地の丼の型として今日まで守られている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ福井県
- 厚揚げの煮たの湯抜きして十文字に切り込みを入れた厚揚げを、だしと醤油、みりんで甘辛く煮てしょうが汁を効かせる福井の日常菜。油揚げの消費量が全国有数の土地で、報恩講のごちそうから各家庭の定番になったと伝わる。
- ぼっかけ厚揚げやごぼう、糸こんにゃくを削り節のだしで煮て、炊きたてのごはんに汁ごとぶっかける福井の一品。大正初期から100年以上食べ継がれ、勝山ではかまぼこや三つ葉を添えたお茶漬け風にもすると伝わる。
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- でっち羊かんこしあんに寒天と砂糖、塩を溶かして固める、水羊かんに近い福井の冬の菓子。京都へ丁稚奉公に出た若者が正月に持ち帰った羊かんを水で伸ばして配ったのが始まりと伝わり、こたつで食べるのが定番という。
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