甘味
カーサームーチー
Kaasaa Muuchii
もち粉の生地を月桃の葉で包んで蒸した餅で、旧暦12月8日に厄払いとして仏前に供えられる。鬼を退治した妹の伝承が名の由来とされ、蒸し汁を家の周りにまいて葉を戸口に吊るす厄除けの風習が今も残る。
- 発祥: 沖縄県
- 東京から南西へ約1560km
系譜
カーサームーチーサーターアンダーギー
何でできているか
もち粉を練った生地を月桃の葉で包んで蒸しあげた沖縄県の餅で、「ムーチー」「鬼餅」とも呼ばれる。蒸す間に月桃の爽やかな香りが家じゅうに漂い、餅にもほのかに移る。黒糖や紅芋、たかきびなどを混ぜ込んで彩りを添える家庭も多く、白いままシンプルに仕上げる「白ムーチー」もあり、もちもちとした食感とほのかな葉の香りが冬の沖縄に欠かせない風物詩となっている。
どう作るのか
もち粉にざらめと水を加えて耳たぶほどのかたさにこね、しばらく寝かせる。おにぎり大に分けて月桃の葉の裏側にのせて包み、紐で結んで30分ほど蒸す。ウコン粉や黒糖、紅芋を混ぜ込んで色をつけることもある。サンニンの葉の代わりにクバ(蒲葵)の葉を使ってつくることもあり、生地はしばらく寝かせることでなめらかさが増し包みやすくなるという。
なぜこの形になったのか
旧暦12月8日に厄払いとして神仏に供え、家族の健康を祈願する年中行事として受け継がれてきたと伝わる。首里金城町の民話に由来する呼び名も残り、蒸し汁を家のまわりにまいたり、月桃の葉をサンの形に結んで軒先に吊るしたりする厄除けの風習も伝わっている。男児が生まれて初めての年には、クバの葉を使った特に大きな「力ムーチー」をつくって祝うという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ沖縄県
- 足ティビチ豚足を昆布や大根とともに、骨がすっと抜けるほどやわらかくなるまで長時間煮こむ。「弱った部位と同じ部位を食べる」という以類補類の考え方から、脚に不調のある人や年配者、美容を気づかう人に好まれてきたとされる。
- 泡盛タイ米と黒麹だけを使い、米のすべてを麹にする全麹仕込みで造る沖縄の蒸留酒。黒麹由来のクエン酸のおかげで高温多湿の気候でももろみが腐敗しにくいとされ、単式蒸留機で仕上げる焼酎の仲間だという。
- 血イリチー豚の血に、豚肉やにんじん、きくらげなどを加えて炒め煮にする沖縄独特の料理。不調のある部位と同じ部位を食べて補うという以類補類の考えから貧血予防の薬効も期待され、旧正月前や法事の供え物として振る舞われてきた。
- チムシンジ豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ゴーヤーチャンプルー苦味のあるゴーヤーを、しっかりとした沖縄豆腐や卵と炒め合わせる。豆腐が入ってはじめて「チャンプルー」と呼べるとされ、夏の暑さで落ちる食欲とビタミンCの摂取を同時に支える一皿として、季節を問わず食卓に上る。
- 花酒日本最西端の与那国島でのみ製造される、アルコール分60度前後の蒸留酒。原料や製法は泡盛と同じだが、度数が泡盛の上限を超えるため酒税法上は「スピリッツ」として区別されているという。