酒 ── 焼酎・泡盛
そば焼酎
Soba-jochu
そばの実を主原料にする焼酎。そば湯を思わせる香ばしい香りとやさしい甘みを持つとされ、1973年に宮崎県五ヶ瀬町の蔵元が麦焼酎の製法をもとに開発した、比較的新しい型の焼酎だという。
- 発祥: 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町
- ほかの系統
- 東京から西へ約840km
宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町
系譜
そば焼酎
何でできているか
主原料はそばの実で、これに米麹や麦麹を合わせて仕込む。そばがきやそば湯を思わせる香ばしい香りと、やさしい甘みを持つとされ、麦焼酎に近い軽さがありながらそば特有の風味が加わった、他の型にはない個性を持つ酒質になるという。そばの実は脂質を多く含むため、酸化やえぐみを抑える扱いに麦や米とは異なる工夫が要るとされる。
どう作るのか
米麹または麦麹と水で一次もろみを仕込み、そこへそばの実を砕いて加える二次仕込みで発酵を進めるとされる。開発にあたっては麦焼酎の製法を土台に、そばの実をどこまで細かく砕き、どう仕込めば香りを引き出せるかが数年にわたり試行錯誤されたと伝わる。発酵を終えたもろみは単式蒸留機に一度だけかけられ、そば由来の香りを残すよう仕上げられるという。
なぜこの形になったのか
宮崎県北部の高千穂・五ヶ瀬地方は山間の寒冷な気候ゆえに古くからそばの産地として知られていたとされる。1973年、この地に蔵を構える蔵元が地元特産のそばを焼酎の原料にできないかと考え、3年ほどの試行錯誤を経てそば焼酎を開発したと伝わる。地元の畑作物を蒸留酒に仕立てた、比較的新しい型として広まったという。現在も高千穂・五ヶ瀬地方の蔵元が、この製法と地元産のそばを大切に受け継いでいるとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
源流
同じ宮崎県
- チキン南蛮揚げた鶏肉を南蛮酢にくぐらせ、タルタルソースをかけた延岡発祥の一品。昭和30年代、洋食店のまかない料理として作られた甘酢漬けの唐揚げが元になったとされ、今や宮崎を代表する味として広く知られる。
- ふたたびだんごだんご粉を練って蒸し、摘みたてのよもぎを加えてもう一度つき直す延岡市のおやつ。通常一度きりの練りを「再び」おこなうことが名の由来で、あんを包んできな粉をまぶすと、若草色のやわらかな団子になる。
- 稗ずーしー猪の骨付き肉を湯がいた出汁に、米や稗、野菜を入れて炊く椎葉村の雑炊。縄文以前から食べられてきたとされる雑穀・稗を使い、猪をさばいた際には村中に振る舞われる冬の栄養源として伝わってきた。
- 日向黒皮かぼちゃの煮物宮崎市発祥の伝統野菜「日向黒皮かぼちゃ」を大きめに切り、砂糖と薄口醤油でコトコト煮る料理。西洋かぼちゃよりさっぱりとして甘みは控えめだが煮崩れしにくく、皮まで美味しく食べられるのが持ち味。
- いりこもちもち米を炒って粉にした「いり粉」を水飴で練り上げ、寝かせてから棒状に切る宮崎の菓子。江戸期に薩摩藩から伝わった節句菓子とされ、子どもの成長を願って近所に配る風習があったと伝わる。
- 地鶏の味噌ころばかし地鶏を水を使わずに焦がさないよう鍋で煮転がし、味噌をからめる小林市周辺の家庭料理。「ころばかし」は鍋の中で煮転がすことを指す県西地方の方言で、家庭ごとに具材や味付けが異なる。