酒 ── 焼酎・泡盛
球磨焼酎
Kuma Shochu
熊本県球磨郡・人吉市の地下水で仕込み、米だけを原料に同地域内で蒸留・容器詰めまで行った米焼酎だけが名乗れる呼び方。1995年、日本で最初に地理的表示として指定された焼酎だという。
- 発祥: 熊本県人吉市
- 米
- 東京から西へ約920km
熊本県人吉市
系譜
球磨焼酎
何でできているか
原料は米のみで、球磨郡または人吉市の地下水を仕込み水に使うことが条件とされる。九州山地に降った雨がもたらす地下水は軟らかく、米由来のほのかな甘みを引き出しながら雑味の少ない酒質を生むとされ、27の蔵元がそれぞれ200を超える銘柄を持ち、微妙な味わいの違いを競い合っているとされ、地域ぐるみで銘柄の幅を支えているという。
どう作るのか
米麹で仕込んだもろみに蒸した白米を加える二段仕込みを基本とし、球磨郡または人吉市の地下水を使って、同地域内で製麹から蒸留・容器詰めまでの全工程を行うことが地理的表示「球磨」の条件とされる。単式蒸留機による蒸留が求められ、たとえ同じ熊本県内であっても地域外での瓶詰めは明確に認められていないとされている。貯蔵年数や蒸留法の違いによっても、各銘柄の個性がはっきりと分かれてくるとされる。
なぜこの形になったのか
九州山地に囲まれ水田単作地帯として知られる球磨地方では、江戸期から地元で収穫した米を使った焼酎造りが盛んだったとされる。険しい山に囲まれ流通が限られていたことが、かえって地域内で完結する独自の焼酎文化を育んだといい、1995年に国税庁の地理的表示産地指定を受け、その土地との結びつきが公的に認められたと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ熊本県
- 天草大王明治・大正期に天草で飼われた大型の肉用鶏が昭和初期に途絶えたのち、熊本県が約10年かけて復元したとされる。120〜150日齢で出荷され、日本最大級の地鶏という。
- がね揚げ拍子切りにしたさつまいもをしょうが入りの甘めの衣にくぐらせ、油で揚げた惣菜。天草の方言で「がね」はカニの意味で、揚げた形がカニの足に似ることから名付けられたという。精進料理としても使われる。
- 鯛そうめんタイの頭や中骨を煮た「あら炊き」の煮汁でそうめんを煮て食べる祝い料理。そうめんを使うのは特産地・島原の食文化の影響とされる。山都町馬見原では鯛を丸ごと姿煮にする「鯛めん」として伝わるという。
- たこ飯天日干しにした「干しダコ」を水でもどして刻み、ごぼうや人参と炊き込む、または後から混ぜるご飯。旨味が凝縮した干しダコを使うことが多く、天草市有明町の夏の風物詩とされる干しダコ干しの光景で知られる。
- 馬肉蕎麦熊本県阿蘇地域に伝わる、馬肉の甘辛いしぐれ煮を温かいそばにのせる料理という。馬肉文化が根づいた土地で、けが人や病人への薬膳料理として食べられてきた歴史を持つとされる。
- ぶたあえ茹でタコとなすを甘辛い麦味噌で炒め合わせた天草の家庭料理。かつて手に入りにくかった豚肉の代わりに、地元で獲れるマダコを使ったのが始まりとされ、名前だけ「豚和え」として残ったという。