酒 ── 焼酎・泡盛
粕取り焼酎
Kasutori Shochu
清酒を搾った後に残る酒粕を原料にする焼酎。米粒そのものではなく酒粕を蒸留するため独特の香ばしい香りを持つとされ、北部九州で古くから五月の早苗饗祭の酒として親しまれてきたという。
- 米
何でできているか
原料は清酒を搾った後に残る酒粕で、米そのものを使う米焼酎とは原料の出発点が異なるとされる。酒粕にはすでに発酵で生まれた香味成分が豊富に含まれているため、蒸留すると独特の香ばしい穀物香とやや焦げたような風味が出るとされ、米焼酎とはまた違った、荒々しくも個性の強い酒質になるという。清酒の副産物を無駄なく生かす酒とも言われる。
どう作るのか
伝統的な製法では、酒粕に籾殻を混ぜて隙間を作り、蒸気が全体に通りやすくしたうえで蒸す「せいろ式」と呼ばれる甑を使った方法が古くから用いられてきたと伝わる。現代では単式蒸留機を使う蔵も多いとされる。酒粕は搾りたての生の状態で使うことが望ましいとされ、清酒の仕込みが一段落する時期に合わせて短期間に集中して造られるという。
なぜこの形になったのか
粕取り焼酎は北部九州の福岡・佐賀を中心に、江戸期の早い時代には既に造られていたと伝わる。米づくりが盛んな稲作地帯では、田植えを終えた5月ごろに豊作を祈る「早苗饗(さなぶり)」という祭りが古くから開かれ、そこで振る舞われる酒として代々親しまれてきたことから、地元では「早苗饗焼酎」とも呼ばれてきたという。現在は手間のかかるこの製法を続ける蔵元が減り、伝統を守る貴重な存在になっているとされる。