麺 ── ラーメン
鶴岡節系ラーメン
Tsuruoka Bushikei Ramen
鰹節や宗田節、飛魚節を効かせただしに、豚骨や鶏ガラを合わせて作る醤油スープ。複数の節を使い分けることでだしに奥行きを持たせる、庄内浜の乾物文化が息づく山形県鶴岡市周辺の醤油ラーメンの系統。
- 発祥: 山形県鶴岡市
- 醤油
- 東京から北へ約340km
山形県鶴岡市
何でできているか
スープの奥に潜むのは、鰹節や宗田節、飛魚節といった魚の乾物の香り。動物系のだしに、これらの節をブレンドしただしを合わせ、醤油だれでまとめた琥珀色のスープに仕上げる店が鶴岡市とその周辺には複数ある。単純な魚介豚骨ではなく、複数の節を使い分けることでだしに厚みと奥行きを持たせるのがこの系統の特徴とされる。中太のちぢれ麺がスープをよく持ち上げる。
どう作るのか
豚骨や鶏ガラをベースの出汁として長時間炊く一方で、鰹節・宗田節・飛魚節など数種類の節を別立てで煮出し、両者を合わせてから醤油だれで味を決める。節の種類や配合、抽出時間は店ごとに異なり、同じ「節系」と呼ばれていても一杯ごとに輪郭が違う。動物系と魚系の二本立てでだしを組むという構成そのものが、この系統に共通する骨格になっている。
なぜこの形になったのか
庄内浜は飛魚漁などが盛んな土地で、節や乾物を作る文化が古くから根づいてきたとされる。海に面した鶴岡の食文化の中で、身近にあった魚の乾物を動物系だしと組み合わせてラーメンに仕立てる店が増え、節系と呼ばれる一群を形づくっていったと考えられている。魚介だしを単体で立たせず、豚骨や鶏ガラと合わせて厚みを出す発想は、乾物文化が根付く庄内らしい組み合わせ方とも読める。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山形県
- 赤湯辛味噌ラーメン味噌スープの中央に辛味噌を乗せ、溶かしながら味を変えて食べる。
- あけびの味噌詰め焼きほろ苦いあけびの皮に、ひき肉と舞茸を味噌と砂糖で煎り煮したものを詰め、タコ糸で結んで焼く秋の一品。全国では実の白い部分を食べるのが一般的だが、山形では皮を食べる珍しい食文化が根づいているという。
- どんがら汁寒の時季にとれる寒ダラを頭から内臓まで余さず味噌仕立ての汁にする、庄内の漁師料理が起こりとされる冬の一杯。あぶらわたと呼ぶ肝のこくが決め手で、ねぎは入れず岩のりだけを添えるのが本来という。
- ハタハタの湯上げ産卵のため庄内浜に押し寄せるハタハタを丸ごと湯がき、大根おろしと醤油だけで食べるシンプルな冬の魚料理。うろこがなく下処理が手軽なことから、庄内の秋冬の食卓に定着してきたという。
- ひょう干しの煮物夏に摘んだすべりひゆ(ひょう)を茹でて天日干しにした保存食を戻し、糸こんにゃくや人参、油揚げと炒め煮にする正月料理。「今年も“ひょっと”していいことがありますように」と縁起を担いで食べるという。
- 芋煮里芋と牛肉、こんにゃく、ねぎを醤油味で煮込む秋の鍋で、最上川舟運の船頭が河原で棒ダラと里芋を煮て待ち時間を過ごしたのが始まりと伝わる。庄内側では豚肉と味噌仕立てに変わるなど地域差も大きい。