麺 ── ラーメン
瀬戸内ラーメンいりこそば
Setouchi Ramen Iriko Soba
いりこの香りと旨味を澄んだスープにそのまま生かした、周防大島のご当地ラーメン。満州で中華そばに親しんだ創業者が、島で豊富に獲れるいりこを生かして考案したと伝わる。
- 発祥: 山口県周防大島町
- 醤油
- 東京から西へ約720km
山口県周防大島町
系譜
瀬戸内ラーメンいりこそば今治ラーメン
何でできているか
澄んだ琥珀色のスープに、いりこの香りと旨味がまっすぐに立つのが特徴。動物系の脂をほとんど感じさせず、乾燥させた小魚だけでここまでの深みが出るのかと思わせる軽さと余韻を両立させている。中華麺と合わせても、瀬戸内の煮干し料理に近い、どこか懐かしい後味が残る。いりこの粒の大きさや乾燥具合によって香りの強さが変わるため、仕入れる時期ごとに微妙な違いが出るという。## どう作るのか いりこを丁寧にだしがらまで煮出し、雑味やえぐみを取り除きながら澄んだスープに仕上げる。魚の香りが強く出すぎないよう火加減と煮出し時間を調整するのが要となる。醤油や塩でうすく味を決め、いりこの香りを主役のまま中華麺に合わせるのが、この島に伝わる仕立て方とされる。煮出したあとのいりこは取り除き、スープの透明感を保ったまま中華麺と合わせるのが基本とされる。## なぜこの形になったのか 一説によると、満州で中華そばに親しんだ島の食堂の創業者が、帰郷後に島で豊富に獲れるいりこを生かして考案したのがはじまりという。周防大島は山口県内でとれるいりこの多くを担う島で、身近にあった海の恵みを異国仕込みの一杯に落とし込んだ結果が、この澄んだスープに表れている。満州で覚えた中華そばの技法と、島に根づいたいりこ漁の暮らしが一杯のなかで結びついた例といえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山口県
- チキンチキンごぼう一口大の鶏の唐揚げと素揚げごぼうを甘辛いたれで絡める学校給食発の一皿。1995年ごろ、家庭のレシピを募って栄養教諭が考案したとされ、口ずさみやすい名前とともに県民食として広まったと伝わる。
- ちしゃなます下関の伝統野菜「かきちしゃ」をちぎり、酢みそやほぐした焼き魚、しらすであえる料理。関ヶ原の戦い後、困窮した毛利の人々が考案したと伝わり、「ちしゃもみ」の名でも親しまれている。
- 長州黒かしわ山口・島根両県原産で国の天然記念物とされる黒柏鶏の血を生かして山口県の試験場が開発した地鶏をもとに、養鶏場が仕上げて名付けたとされる。80〜100日ほど平飼いで育てられるという。
- ふぐの唐揚げしょうゆや酒で下味をつけたふぐを片栗粉で揚げる下関・萩の家庭料理。刺身や鍋には高級なトラフグが使われる一方、唐揚げには安価なシロサバフグが使われることが多いと伝わる。
- ふく刺し透けるほど薄く切ったふぐの刺身を菊の花のように盛り付ける下関の一皿。福を呼ぶ意味で「ふぐ」を「ふく」と呼び、ポン酢と薬味で食す。明治21年、下関でのみふぐ食が解禁されたのが始まりと伝わる。
- ごぼう巻きかまぼこ作りで残るエソの皮をごぼうに巻きつけ、たれにつけて焼く萩の一品。焼き抜きかまぼこの高級魚エソを使うため、水産加工会社がかまぼこと一緒に作ることが多く、祭りや花見の弁当に欠かせないと伝わる。