麺 ── ラーメン
十文字中華そば
Jumonji Chuka Soba
かんすいを使わない細縮れ麺と、あっさりした和風だしの醤油スープ。
- 発祥: 秋田県横手市
- 醤油
- 東京から北へ約410km
秋田県横手市
何でできているか
かつお・昆布・煮干しでとった和風だしに白醤油を合わせた、透明感のあるあっさりスープ。かんすいを抑えた縮れ麺は中華麺よりもやわらかな噛み心地で、口に運んだ瞬間に独特の食感がふわりと広がる。大盛りでも重たくならず、かつてはおやつ代わりにも食べられていたと伝わるほど軽い一杯とされる。仕上げに麩を浮かべる店が多いのも、この土地らしい特徴のひとつになっている。
どう作るのか
だしは短時間で引くが、かつお・昆布・煮干しを惜しみなく使い、素材を出し惜しみしないのが特徴とされる。中華麺の製法にならいながらもかんすいを控えることで、和風だしとなじみやすい、くどくない麺に仕立てている。地区内には複数の店がいくつも軒を連ね、同じ十文字中華そばという名前の下でも、店ごとに違う味わいをじっくり比べながら楽しめるという。
なぜこの形になったのか
一説によると、戦時中に中国人からラーメン作りの技を習った川越倉治・タマ夫妻が、そこに独自の和風だしを組み合わせたのが十文字中華そばの始まりと伝わる。中華の製法と和のだし、両方の要素を歩み寄らせた結果として、かんすいを抑えた縮れ麺とあっさりした白醤油スープの組み合わせが、この土地にしっかりと根づき定着したと読める。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ秋田県
- 赤ずし(赤漬け)炊いたもち米を赤じそと酢で漬け込み、短く発酵させる秋田の郷土ずし。魚を使わない植物性のなれずしで、お盆に仏前へ供える行事食としても伝わる、酸味の穏やかな夏の一皿。
- あさづけ砕け米をすりつぶして煮た生地を砂糖と酢で味付けし、きゅうりやかぶ、季節の果物を混ぜた甘酸っぱいデザート。一般的な漬物の「浅漬け」とは別物で、田植えを終えた女性たちを癒やす夏の一品と伝わる。
- 干し餅切った餅を吊るし編みにして水に浸し、冬の寒さで凍らせては乾かす「寒締め」を経て作る保存菓子。さくさくとした歯ごたえが持ち味で、腹持ちがよく、田植えの合間の軽食として食べられてきたと伝わる。
- いものこ汁里芋の子芋や孫芋「いものこ」を、鶏肉やきのこ、山菜とともに味噌や醤油で煮た秋の汁物。横手市山内地域特有の土壌で育つ里芋は柔らかな歯ごたえが特徴で、県北のきりたんぽ鍋と対比される郷土料理と伝わる。
- 秋田の酒軟水を使い、灘の硬水とは対照的にまろやかで細やかな酒質を目指すとされる秋田の酒。雪に埋もれた蔵が保温効果を持つことを生かし、低温でじっくり発酵させる造りが伝統として続いているという。