甘味
あさづけ
Asazuke
砕け米をすりつぶして煮た生地を砂糖と酢で味付けし、きゅうりやかぶ、季節の果物を混ぜた甘酸っぱいデザート。一般的な漬物の「浅漬け」とは別物で、田植えを終えた女性たちを癒やす夏の一品と伝わる。
- 発祥: 秋田県
- 東京から北へ約450km
何でできているか
すりつぶした米を砂糖と酢で味付けし、きゅうりや季節の果物を加えた秋田の夏のデザート。一般的な漬物の「浅漬け」とは別物で、米の自然な甘みに酢のさわやかな酸味が重なり、甘酸っぱいひんやりとした味わいになるという。地域によって「こざき練り」「粉なます」とも呼ばれ、色とりどりの具材が涼しげな見た目をつくるという。子どものおやつや来客のお茶請けとしても親しまれてきたという。
どう作るのか
米を洗って3時間以上水に浸し、水切りしてからミキサーで米粒が少し残る程度にすりつぶす。水と砂糖、塩を加えて中火にかけ、練りながら煮立たせたら酢を少しずつ加えて粗熱をとる。冷めたらきゅうりやかぶなどの具材を混ぜ、器に盛って季節の果物や缶詰をのせるという。近年は上新粉でつくる家庭も多いという。パイナップルやみかんなど、家庭によって加える果物もさまざまだという。
なぜこの形になったのか
田植えが女性の仕事だった時代、ひと仕事終えたあとの疲れを癒やす甘酸っぱい一品として親しまれてきたと伝わる。市場に出せない砕け米「こざき」を無駄にせず活用する知恵から生まれたとされ、色彩の美しさから祝儀や不祝儀の取り回し料理にも使われるようになったと考えられる。米を余さず使い切る、農家の知恵が詰まった一皿と伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ秋田県
- 赤ずし(赤漬け)炊いたもち米を赤じそと酢で漬け込み、短く発酵させる秋田の郷土ずし。魚を使わない植物性のなれずしで、お盆に仏前へ供える行事食としても伝わる、酸味の穏やかな夏の一皿。
- 江戸系ラーメン醤油ラーメンの表面に、ニラとニンニクを効かせた真っ赤な辛味噌がひとかたまり乗る。溶かしながら食べ進めるうち、あっさりした一杯が少しずつ濃く辛く変わっていく秋田市のご当地ラーメン。
- 干し餅切った餅を吊るし編みにして水に浸し、冬の寒さで凍らせては乾かす「寒締め」を経て作る保存菓子。さくさくとした歯ごたえが持ち味で、腹持ちがよく、田植えの合間の軽食として食べられてきたと伝わる。
- いものこ汁里芋の子芋や孫芋「いものこ」を、鶏肉やきのこ、山菜とともに味噌や醤油で煮た秋の汁物。横手市山内地域特有の土壌で育つ里芋は柔らかな歯ごたえが特徴で、県北のきりたんぽ鍋と対比される郷土料理と伝わる。
- 秋田の酒軟水を使い、灘の硬水とは対照的にまろやかで細やかな酒質を目指すとされる秋田の酒。雪に埋もれた蔵が保温効果を持つことを生かし、低温でじっくり発酵させる造りが伝統として続いているという。
- おやき餅米の生地であんこを包み、こんがりと焼き上げる菓子。野沢菜となすを小麦の皮で包む信州のおやきとは別物で、山の神へのお供えや五城目町の朝市の名物として親しまれてきたと伝わる。