麺
沖縄そば
Okinawa Soba
明治中期、那覇で唐人が営むそば屋から始まり、比嘉某の店が具に卵焼きを添えるなど工夫を重ねて広まった。かつては「がじゅまる」等を燃やした木灰を麺のつなぎに使っていたが、戦後に県民食として定着し、「沖縄そば」の名称は1972年頃に定着したとされる。
- 発祥: 沖縄県那覇市
- 東京から南西へ約1560km
沖縄県那覇市
系譜
沖縄そば
何でできているか
透き通った豚骨とかつお節のだしに、小麦粉だけで作る中華麺を合わせる。そば粉は使わない。色は真っ白ではなく卵色がかった中太麺で、噛むとほのかな弾力が返ってくる。三枚肉やソーキ、細切りのかまぼこ、紅生姜をのせ、具を麺の上に盛るのが那覇の型で、比嘉某の店が卵焼きを添えた工夫が今日の彩りにつながったと伝わる。スープは意外なほど澄んでいて、豚の脂っこさよりもかつおの香りが先に立つ。
どう作るのか
かつては「がじゅまる」などを燃やした木灰から取った灰汁を麺のつなぎに使っていたが、木灰の入手が難しくなり1961年頃からかん水に切り替わったとされる。豚骨とかつお節でじっくりだしをとり、塩を少し加えて味を調えるだけのシンプルな作り方で、澄んだスープに仕上げるのが那覇そばの基本の型になっている。麺は蒸し工程を経てから茹で上げ、油を絡めてくっつきを防ぐのが一般的な製麺の流れ。
なぜこの形になったのか
そば粉の原料となる蕎麦は冷涼な気候を好み、亜熱帯の沖縄では育ちにくい。明治期に那覇へ渡った唐人が中華麺の製法を持ち込み、豚肉を余さず使う琉球の食文化と結びついたことで小麦麺の料理として定着したとされる。「沖縄そば」という名称も、そば粉不使用への行政指摘を経て1972年頃に定着したと伝わる。麺もだしも、島の気候と交易の歴史がそのまま形になった一杯といえる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ沖縄県
- 足ティビチ豚足を昆布や大根とともに、骨がすっと抜けるほどやわらかくなるまで長時間煮こむ。「弱った部位と同じ部位を食べる」という以類補類の考え方から、脚に不調のある人や年配者、美容を気づかう人に好まれてきたとされる。
- 泡盛タイ米と黒麹だけを使い、米のすべてを麹にする全麹仕込みで造る沖縄の蒸留酒。黒麹由来のクエン酸のおかげで高温多湿の気候でももろみが腐敗しにくいとされ、単式蒸留機で仕上げる焼酎の仲間だという。
- 血イリチー豚の血に、豚肉やにんじん、きくらげなどを加えて炒め煮にする沖縄独特の料理。不調のある部位と同じ部位を食べて補うという以類補類の考えから貧血予防の薬効も期待され、旧正月前や法事の供え物として振る舞われてきた。
- チムシンジ豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ゴーヤーチャンプルー苦味のあるゴーヤーを、しっかりとした沖縄豆腐や卵と炒め合わせる。豆腐が入ってはじめて「チャンプルー」と呼べるとされ、夏の暑さで落ちる食欲とビタミンCの摂取を同時に支える一皿として、季節を問わず食卓に上る。
- 花酒日本最西端の与那国島でのみ製造される、アルコール分60度前後の蒸留酒。原料や製法は泡盛と同じだが、度数が泡盛の上限を超えるため酒税法上は「スピリッツ」として区別されているという。