惣菜
つしま
Tsushima
炒った豆腐に、だしで煮て下味をつけたにんじんやごぼう、干しえびをあえる周南地域の一皿。生ものを使わず日持ちすることから常備菜として重宝され、来客のもてなしにも用いられてきたと伝わる。
- 発祥: 山口県
- 東京から西へ約750km
何でできているか
炒って水気を飛ばした豆腐に、だしとしょうゆで下味をつけたにんじんやごぼうの細切り、干ししいたけ、干しえびを合わせてあえる周南地域の一皿になっている。白あえに似た見た目だが、豆腐は一度ゆでてから使い、具材はすべて火を通しているのが特徴で、ほろりとした豆腐のコクと根菜の歯ざわりが混ざり合う。ゆでたさやいんげんを彩りに添えることも多いという。
どう作るのか
豆腐は塩を加えた熱湯でゆでてざるにあげ、水気をしっかり絞ってから鍋で炒って冷ましておく。もどした干ししいたけとにんじん、ごぼうは細切りにして煮て冷まし、干しえびとともに用意する。しょうゆや砂糖、酢、塩で味をつけた豆腐とこれらの具材をあえ、細切りにしたさやいんげんを散らして仕上げる。きゅうりを加える家庭もあるという。
なぜこの形になったのか
名の由来には諸説あるが、江戸時代に周南市櫛ヶ浜の漁師が朝鮮通信使の案内役を務めた際、その外交窓口だった対馬藩にちなんで呼ばれるようになったという説が伝わる。生ものを使わず具材すべてに火を通す作り方は、来客をもてなす精進料理や、日持ちのする常備菜として使われてきた歴史に沿ったものとみられる。お盆や法事に作られる機会が多いのも、この由来と重なるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山口県
- チキンチキンごぼう一口大の鶏の唐揚げと素揚げごぼうを甘辛いたれで絡める学校給食発の一皿。1995年ごろ、家庭のレシピを募って栄養教諭が考案したとされ、口ずさみやすい名前とともに県民食として広まったと伝わる。
- ちしゃなます下関の伝統野菜「かきちしゃ」をちぎり、酢みそやほぐした焼き魚、しらすであえる料理。関ヶ原の戦い後、困窮した毛利の人々が考案したと伝わり、「ちしゃもみ」の名でも親しまれている。
- 長州黒かしわ山口・島根両県原産で国の天然記念物とされる黒柏鶏の血を生かして山口県の試験場が開発した地鶏をもとに、養鶏場が仕上げて名付けたとされる。80〜100日ほど平飼いで育てられるという。
- ふぐの唐揚げしょうゆや酒で下味をつけたふぐを片栗粉で揚げる下関・萩の家庭料理。刺身や鍋には高級なトラフグが使われる一方、唐揚げには安価なシロサバフグが使われることが多いと伝わる。
- ふく刺し透けるほど薄く切ったふぐの刺身を菊の花のように盛り付ける下関の一皿。福を呼ぶ意味で「ふぐ」を「ふく」と呼び、ポン酢と薬味で食す。明治21年、下関でのみふぐ食が解禁されたのが始まりと伝わる。
- ごぼう巻きかまぼこ作りで残るエソの皮をごぼうに巻きつけ、たれにつけて焼く萩の一品。焼き抜きかまぼこの高級魚エソを使うため、水産加工会社がかまぼこと一緒に作ることが多く、祭りや花見の弁当に欠かせないと伝わる。