惣菜
モロの煮付
Moro no Nitsuke
茨城や福島沖でとれるネズミザメを「モロ」と呼び、醤油と砂糖でやわらかく煮付けた料理。腐りにくいサメの性質を活かし、海の遠い栃木で貴重なたんぱく源として食卓に上ってきた。
- 発祥: 栃木県
- 東京から北へ約100km
系譜
何でできているか
内陸で北部や東北沖でとれるネズミザメ「モロ」の切り身を、醤油・砂糖・みりん・酒でやわらかく煮付け、仕上げに千切りのしょうがをのせた家庭料理とされる。高たんぱくで低脂肪なさめの身に甘辛い煮汁がしみ込み、淡白ながらもしっかりとした食べ応えのある、栃木の食卓に古くからなじみ深い、誰もが知る味として受け継がれている。
どう作るのか
しょうがを薄切りと千切りに分けて用意し、醤油・砂糖・みりん・酒・水を合わせた調味液を鍋で煮立たせる。薄切りのしょうがとモロの切り身を加えて中火で10分ほど煮含める。器に盛りつけたら千切りのしょうがを飾って仕上げる、スーパーで買った切り身からも手軽につくれる、忙しい日にも重宝する家庭料理とされる。手間はかかるが、家庭の味として今も大切に守られている。
なぜこの形になったのか
海から遠い内陸部では、サメの水揚げ港周辺ではあまり好まれなかった身が、尿酸が分解してアンモニアに変わり腐りにくいことから、貴重な海の魚として内陸へ運ばれ重宝されたとされる。栃木ではサガンボと並んで手軽に手に入るさめとして日常的に親しまれ、近年は学校給食でも松風焼きなどにアレンジして提供されている。派手さはないが、体に染みる滋味深い一皿として好まれている。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
兄弟
同じ栃木県
- 揚げまき湯波の煮物生ゆばを重ねて棒状に巻き、輪切りにして油で揚げた「揚げまき湯波」を、薄味でじっくり煮た日光の郷土料理。表面が波打つ日光ゆばの技法を生かし、正月や祝いの席にも欠かせない。
- あいその甘露煮那珂川や鬼怒川で春の産卵期に群れるウグイを、あいそと呼び、弱火で長時間かけて骨まで柔らかく甘露煮にする。冷蔵庫が普及する前、川魚が貴重なたんぱく源だった内陸県の料理。
- 鮎めし那珂川など鮎の獲れる川筋で、素焼きにした鮎を米と一緒に炊き込む混ぜごはん。祭りや農作業の休みなど特別な日につくられ、余った鮎は串に刺して囲炉裏端に吊るし保存したという。
- 板台餅/ばんだい餅日光市栗山地区に伝わる、うるち米を硬めに炊いてつく餅。山小屋の板の上で斧の峰などで叩いてついたことから「板台餅」と呼ばれ、味噌だれやあんこ、じゅうねなど地域ごとの食べ方が残る。
- ばっとう汁・だんご汁(すいとん)季節の野菜を煮た味噌汁に、練った小麦粉を手でちぎり入れただんご汁。地域によって「はっとう汁」「だんご汁」と呼び名が変わり、米が足りない時の日常食として親しまれてきた。
- ちたけとなすの油炒め裂くと乳白色の汁が出るきのこ・ちたけを、なすとともに油で炒めた料理。里山の管理とともに8月ごろだけとれる希少なきのこで、うどんやそばのだしにも使われる栃木ならではの味覚。