惣菜
いずみや
Izumiya
酢飯の代わりに味付けしたおからを使う卯の花ずし。別子銅山を開いた住友家の屋号「泉屋」に由来すると伝わり、米を食べにくかった庶民が見た目だけでも真似た料理という。宇和島では丸ずしと呼ぶ。
- 発祥: 愛媛県新居浜市
- 東京から西へ約620km
愛媛県新居浜市
何でできているか
酢飯の代わりに味付けしたおからを使う、新居浜地方の押し寿司だという。小鯛など地元で獲れる旬の小魚を酢と砂糖に漬け込み、から煎りして味をつけた卯の花と合わせてにぎる。庶民が別子銅山で栄えた住友家と同じ見た目の料理を食べようと、田のあぜで育てたおからを米の代わりに用いたのが始まりと伝わり、住友家の屋号「泉屋」にちなんで名づけられたとされる。
どう作るのか
小魚を背開きにして中骨を取り、塩をふって30分ほどおいてから砂糖と酢に漬け込む。表面が白くなったら取り出し、酢気をよく切っておく。卯の花はから煎りして魚のつけ汁で味をつけ、みじん切りのしょうがとオノ実を混ぜ合わせる。この卯の花を酢でしめた魚とともににぎり合わせ、彩りよく盛りつけて仕上げる。押し型を使わず手でにぎるため、家庭ごとに形や厚みに違いが出るという。
なぜこの形になったのか
元禄4年に別子銅山を開いた住友家では米飯を用いたすしが食されていたが、庶民は容易に米を口にできなかったため、見た目だけでも同じものをと、田のあぜで栽培したおからで代用したという説が伝わる。その後、住友家に雇われた県内各地の出身者を通じて故郷へ伝わったとする説もある。宇和島市など南予地方では「丸ずし」と呼ばれ、祭りや祝事の席で今も食されているという。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ愛媛県
- ぼて茶煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- えび天殻ごとすりつぶしたジャコエビを白身魚や豆腐と練り合わせ、油で揚げる東予の練り物。塩分を抑えて豆腐の甘みとエビの香りを立たせ、殻のジャリっとした歯ざわりが持ち味とされる。
- いぎす豆腐海藻のいぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように冷やし固める今治の料理。ひんやりとした食感で暑い盛りの食欲をそそり、エビなどの具を入れる家と入れない家で味わいが分かれるという。
- さつま焼いてほぐした白身魚を麦味噌とすり合わせ、骨でとった出汁でのばして熱い麦飯にかける南予の一杯。ぱさつきがちな麦飯を食べやすくする漁師の工夫と伝わり、地域や家庭で使う魚が違うという。
- 鯛そうめんタイを一尾丸ごと煮て、ゆでた素麺と大皿に盛り、煮汁をかけ汁にして食べる。素麺は七夕の織女に、タイは縁起物にちなむとされ、婚礼や還暦など祝いの席で親族に振る舞われてきたという。
- 鯛めしタイを丸ごと米と炊き込む東予の型と、生の切り身を卵と醤油だれに漬けて熱いご飯にのせる南予の型がある。縁起の良い魚とされ祝いの席でも食べられ、家庭ごとにどちらの食べ方が根付くかが分かれるという。