惣菜
一文字のぐるぐる
Ichimonji no Guruguru
さっと茹でた一文字(わけぎ)の白根を軸に青い葉をぐるぐる巻きつけ、酢味噌や辛味噌をかけて食べる酒肴。肥後藩の倹約令の時代に考案された安価なつまみとされ、白根の膨らみが熊本の一文字の特徴という。
- 発祥: 熊本県
- 東京から西へ約890km
何でできているか
さっと茹でた一文字(わけぎ)の白根を軸に、青い葉の部分をぐるぐると巻きつけた酒の肴となっている。ひと口大に巻くことでザクっとした食べごたえのある食感が生まれ、独特の香りと甘みを楽しめるという。熊本県の一文字は、白根の部分の膨らみが特徴的な名産品とされ、江戸時代から栽培が続くという。噛むとシャキッとした歯ざわりのあとに、ぬめりのある甘みが残るとされる。
どう作るのか
一文字をさっと茹でて冷ます。白根の部分を軸にして青い葉の部分をぐるぐると巻きつけ、巻き終わりの葉の先を指で切って出るとろりとした汁でとめる。酢味噌や辛味噌をかけたり添えたりして盛り付ける。一文字だけでつくれるシンプルな料理だが、酢味噌をかけることで立派な酒肴に仕上がるという。巻く力加減がゆるいとほどけやすいため、しっかりと巻き込むのがこつとされる。
なぜこの形になったのか
6代目藩主細川重賢の時代、肥後藩の財政が苦しく倹約令が出された時代に、安く美味しい酒のつまみとして考え出されたのが始まりと伝わる。ねぎを「き」と一文字で呼んだ言葉に由来する名とされ、限られた食材から工夫して酒肴をつくる発想が、巻いて食べごたえを出すという調理のかたちに残っているとみられる。もともと旬は春だが、通年提供したいという需要から品種改良も進められているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ熊本県
- 天草大王明治・大正期に天草で飼われた大型の肉用鶏が昭和初期に途絶えたのち、熊本県が約10年かけて復元したとされる。120〜150日齢で出荷され、日本最大級の地鶏という。
- がね揚げ拍子切りにしたさつまいもをしょうが入りの甘めの衣にくぐらせ、油で揚げた惣菜。天草の方言で「がね」はカニの意味で、揚げた形がカニの足に似ることから名付けられたという。精進料理としても使われる。
- 鯛そうめんタイの頭や中骨を煮た「あら炊き」の煮汁でそうめんを煮て食べる祝い料理。そうめんを使うのは特産地・島原の食文化の影響とされる。山都町馬見原では鯛を丸ごと姿煮にする「鯛めん」として伝わるという。
- たこ飯天日干しにした「干しダコ」を水でもどして刻み、ごぼうや人参と炊き込む、または後から混ぜるご飯。旨味が凝縮した干しダコを使うことが多く、天草市有明町の夏の風物詩とされる干しダコ干しの光景で知られる。
- 馬肉蕎麦熊本県阿蘇地域に伝わる、馬肉の甘辛いしぐれ煮を温かいそばにのせる料理という。馬肉文化が根づいた土地で、けが人や病人への薬膳料理として食べられてきた歴史を持つとされる。
- ぶたあえ茹でタコとなすを甘辛い麦味噌で炒め合わせた天草の家庭料理。かつて手に入りにくかった豚肉の代わりに、地元で獲れるマダコを使ったのが始まりとされ、名前だけ「豚和え」として残ったという。